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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 4●

4233/5:2012/03/20(火) 12:44:27 ID:???
『涼香。これからちょうどお茶にしようかと思ってたところだけど、アンタも何か飲む?』
『え? うん。じゃあ、紅茶淹れてくれる?』
 熱が出ていたから、ずっとスポーツドリンクみたいなのしか飲んでいなかった。こう
してようやく温かい飲み物が飲めるようになった事に感謝しなければなと、私はしみじみ思う。
「えーっ? おかーさん、いいのかよ。姉ちゃん起こしたままにしといてさ」
 大輝が不満そうな声を上げるので、私はまた睨み付けた。しかし、私の抗議より早く、
母がたしなめる。
『大丈夫よ。もうほとんど完治しているんだから。先生も念のためって昨日言ってた位
だし。それに、感染してるならもうとっくにアンタにうつってるわよ』
 すると大輝は不満そうに返事をして、私をジロッと見た。
「寄るなよ、ねーちゃん。菌がうつるから」
『何だったら、たっぷり可愛がってあげてもいいわよ。今日は特別にね』
 まるで対戦前のプロレスラーみたいに、私はワザと大輝に顔を近づけて睨みつける。
と、その時出し抜けに、訪問者を告げる呼び鈴がなった。
『ちょっと悪いけど、出てくれる? 今、ガス使ってるから』
 キッチンから母親の声がする。私はそれをそのまま大輝に投げた。
『じゃあ、大輝。行って来てよ』
「えーっ? 何で俺が」
 不満顔の大輝に、私は自分の格好を指差した。
『だって私、パジャマなのよ? こんな格好で人前に出れる訳ないじゃない。ちょっと
は考えなさいよ』
 全く、男ってこれだから困る。少しは乙女の恥じらいというものを理解して欲しいも
のだ。なのに大輝ときたら、私の格好を一瞥すると、バカにしたように鼻を鳴らして言った。
「バッカバカしい。そんな、恥ずかしがるほど大したもんじゃねークセに」
『う、うるっさいわね!!』
 思わず蹴りを浴びせるも、大輝は軽く体をひねって避けると、そそくさと玄関に行っ
てしまった。
『ちょっと、涼香。体調が戻ったからって暴れたりしたらダメじゃない。ぶり返しでも
したらどうするの』
『だーって、大輝がひどい事言うんだもの。悪いのはあっちじゃない』


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