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●事情によりこちらでSSを投下するスレ 4●

1754/6:2011/10/14(金) 00:58:21 ID:???
 まつりに包みを渡す。俺の手を離し、まつりはごそごそと中を探った。まだ湯気の立っている肉まんが姿を現す。
「んしょ、んしょ」
 と、突然それを二つに割り出した。何をしているのかと思ったら、その片割れを俺に差し出した。
「も、元々あんまんを食べたかったのじゃ。お腹がそれ用になっちゃってるから、一個丸まるなんて入らないのじゃ。じゃ、じゃから、半分やるのじゃ。……他意なんてないのじゃっ!」
 なんだか半分怒りながら、ぐいーっと俺に肉まんを押しつけるまつり。
「そか。じゃ、ありがたくもらおうか」
「そ、そうじゃ。ありがたがるがいいのじゃ」
 俺に肉まんを渡し、まつりは即座にその手で俺の手を握った。
「……な、なんじゃ。貴様が逃げてはいかんから握っただけじゃ! 他意などないっ!」
「何も言ってません」
「へーきな顔をするでないっ、たわけっ!」
「一体どうしろと言うのだ」
「ぐぅぅぅぅ……も、もーよいのじゃ! そこの公園で一緒に食うのじゃ!」
 まつりに引っ張られ、以前も来た気がする公園へ。そこのベンチにまつりと並んで座る。
「もぐもぐもぐ。……あ、おいしーのじゃ」
「ふむ。確かにうまいな」
「うむっ♪」
 よほど気に入ったのか、まつりは足をパタパタさせながら肉まんを平らげた。子供みたいで行儀が悪いが、見た目が子供なので問題ないとも言えよう。
「もぐもぐもぎゅ……ぷはーっ! ごちそーさまなのじゃ。思ったよりもおいしかったのじゃ!」
「気に入ったようで何よりだ」
「うむっ♪ ……でも、ちょびっと足んないのじゃ」
 明らかにまつりの視線が俺の食べかけの肉まんに注がれている。
「そ、そうか。でも、もうすぐ夕飯の時間だし、大丈夫だよな?」
「……わらわ、ちょこっとだけ足りないのじゃよ?」
 稚気をふんだんに織り交ぜ、まつりは甘えた声で囁いた。ごくり、とノドが鳴る。なんだその新技。
「一個全部は食べられないんじゃなかったのか」
 しかし、これ以上篭絡されるわけにはいかない。俺は目をつむって効いてないフリを試みた。
「あ、あの、あののの? ……な、なんでわらわを抱っこするのじゃ?」
「へ? ……おおおおおっ!?」
 心は平静だったが、身体はその制御を失い、宿主が願う行動を取っていた。まつりを膝に乗せ、抱きかかえている。どういうことだ、俺!


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