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あと3話で完結ロワスレ

87288話:絶望の終わり/始まりの時 ◆c92qFeyVpE:2012/12/30(日) 13:43:36

(けど、このままだと……)

そっと、クルックーから譲り受けた汚染度カウンターをマジックへ向ける。
その数値は瞬く間にに上昇し、70%を指し示したところでようやく停止した。

(クルックーに聞いた話だと、魂の汚染から戻れるボーダーラインが70%……!)
「マジック、気持ちはわかるけれど、今は時間がないわ。先に進みましょう」

猶予がないことに気づいたアリスは慌ててマジックを先へと促す。
大切な人物の死だ、できれば喪に服す時間を与えてあげたい。
だが、この空間でのそれは魂の汚染を早める行為、この場では誰かの死を悲しむ間さえも与えられないのだ。

「……無理よ」
「マジック……!」
「無理よ! もう、みんな死んじゃったのよ!? 鈴女さんもリセットちゃんも、貴方の仲間だって!
 私達だけで、導く者を倒せるわけがない……! ……ランスに、無理だったことを……私なんかじゃ……!」

嗚咽混じりの叫びに、アリスは背筋を凍らせる。
目の前にいる少女は本当にマジックなのか、これがアリスに「本気」を出させる覚悟をさせたあの気丈な彼女だというのか。
アリスが見るのは初めてであったが、魂の汚染が進んだ人間は皆一様に負の感情に囚われてしまう。
ここにいるのがクルックーやリセット、霊夢だったならば汚染度を下げることができただろう。
だがアリスにはその手段がない、七色の魔法にも魂を癒す魔法は存在しない、魂の枷の影響を甘んじて受けるのみだ。

「……だけど私達がやるしかないわ。それこそ、みんなの死に報いるためにも」
「貴女は知らないからそう言えるのよ! ランスは魔人だって倒す程強いの! そんなランスが勝てない相手、私達じゃどうしたって倒せない!」

捲し立てるマジックへと二の句が継げない。
元より話術に長けているというわけでもないのだ、この様な状況の相手にどんな言葉をかけるべきかなど解らなくて当然である。
戸惑うアリスの頭に浮かんだのは、今も一人で戦い続けてるであろういけ好かない一人の騎士。

(貴方なら、彼女にどんな言葉をかけるの? ブロント……)


◇◆◇


『ATTACK RIDE BLAST!』
「下段ガードを固めた俺に隙はなかった!」

ディエンドの銃撃を盾で防ぎながらブロントさんはカオスを振るう。
だがその斬撃がディエンドを捉えることはない、ディエンドは確実にブロントさんの間合いから離れ、決定打にならない散発的な攻撃を繰り返すだけだ。

「ちぃ! 狩人が銃を撃てるのは卑怯!」
「狩人は猟銃を撃つものだろう? いい加減面倒だね」
『KAMEN RIDE ILLUSION!』

疲れの混ざった声と共にイリュージョンのカードを発動、三体の分身と共にブロントさんを包囲する。

「っ、空蝉とかお前絶対忍者だろ……!」
『狩人だったり忍者だったり忙しいのう』
「うるさいよ馬鹿! ――バックステッポォ!!」

一々ツッコミを入れてくるカオスを怒鳴りつけ、左右からの銃撃を回避する。
続けざまに放たれた背後からの攻撃へは盾をかざし弾く、だが最後の正面からの銃撃を回避しきることができず地に膝をついてしまう。


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