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あと3話で完結ロワスレ
736
:
第298話『運命に囚われし者たち/運命に挑みし者たち』
◆9DPBcJuJ5Q
:2014/01/16(木) 01:16:04
「お師匠様、シェンナさん、セルジュさん、アバンスさん、エミリア……皆さんの運命を狂わせた、仇……。許しません」
霊剣スカーレットを強く握りしめて、マローネはフェイトを睨んだ。
イヴォワール九つ剣の1人、大剣士スプラウトは家族を失い天涯孤独となったマローネを助け、生き抜く為の力と戦い方を教えてくれた大切な師匠。
シェンナは悪霊憑きと忌み嫌われ万人から罵声を浴びせられていたマローネを唯一受け入れ、分け隔てなく接し、住む場所をくれた大切な恩人。
セルジュはバトルロワイアルという極限の状況下で手を差し伸べ、助けてくれた大切な仲間。
エミリアとアバンスについては、最早言うに及ぶまい。
彼らの全てを狂わせたフェイト達は、マローネにとって間違いなく倒すべき敵だった。
主催者全員を師匠仕込みの剣術、セルジュから譲り受けたシェンナの剣で討つことに寸毫の迷いも無い。
そんな風に気を張っていたマローネの肩を、Ⅳが軽く叩いた。
「憎しみで戦うのはやめときな。父さんも……そういう心の闇を、奴らに利用されたんだ」
達観したような眼で、Ⅳは静かに語りかけた。
Ⅳの父、トロンに関する顛末を知るマローネは、静かに頷いた。
彼女の瞳に宿るのは、憎しみではなく、怒りと悲しみの代償に得た、強い意志と確固たる決意。
「はい。なら、せめて……あの人達の無念を晴らす為に、私、戦います。戦うの、好きじゃありませんけど」
マローネの言葉を聞いて、アマテラスは喜びを示す為に大きく鳴き、そのまま決戦を告げる遠吠えを上げる。
しかしその決意を、黒衣の運命と蒼き鎧の錬金術師は嘲笑う。
「ホウホウ。お前達にとっての神にも等しい我らに、人の分際で挑もうとは愚かなこと」
「お前たちの運命は、私達の掌中にある」
その言葉を聞くや、Ⅳは左腕のデュエルディスクを構え、右手にカードを握る。
「なら全てぶっ壊してやるさ! お前らの言う運命を、俺達の手でなぁ!!」
2体のギミック・ボックスをオーバーレイし、呼び出すのは彼の握る切り札の1枚。
かつては神のみぞ操れる運命の糸を操る者と嘯いたその1枚を、今敢えて召喚する。
「現れろ、No.40! 運命の手綱を断て! ギミック・パペット−ヘブンズ・ストリングス!」
運命を操らんとする者と運命を見極めようとする者――運命に囚われし者たちと、運命を壊し未来を勝ち取らんとする運命に挑みし者たち。
バトルロワイアル・プログラムの終わりを告げる最終決戦の幕が、今、切って下ろされた。
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