[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
あと3話で完結ロワスレ
734
:
第298話『運命に囚われし者たち/運命に挑みし者たち』
◆9DPBcJuJ5Q
:2014/01/16(木) 01:07:40
「この世は単純な一面だけじゃない、複雑な側面を併せ持つ多面体だ。時にその面(ボックス)の構成は、遠近感や距離感を狂わせる仕掛け(ギミック)となる」
唐突に、静止した世界に青年の声が割って入った。
その世界を作り出している双魔神達はと言えば、確かに仕留めた――否、そこにいたはずの標的へと放った攻撃が、見当違いの場所に突き刺さっていることに首を傾げていた。
すると、どこからか、不気味な笑い声が響きだした。
その笑い声の出所は、双魔神を欺いた機械仕掛けの多面体。
「永続罠、ギミック・ボックス」
同時に双魔神へと襲いかかる、赤と白の獣の影。
これによって双魔神の魔術は解かれ、時は再び正常に刻まれる。
「……ふえ?」
双魔神の魔術から解き放たれてすぐ、切歌は意気を整えるより先に素っ頓狂な声を出してしまった。
今、目の前で起こったことへの理解が追いつかない。
劉備とアマテラスを助けたカードに見覚えがあるし、なによりそれを操る声の主にも聞き覚えがあった。
だが、彼は死海へと突入する際に、死の門の番人アポリアと相討ちになってしまった、そのはずなのだ。
しかし、彼以外の誰がいよう。これらのカードを巧みに操る決闘者が、ファンの窮地に颯爽と現れるスターが。
「なんだよ、切歌。忘れちまったのか? お前の歌の、一番のファンの顔を!」
何時の間にやら登っていた滅びの塔周辺に点在する柱の中でも最も高い所から、高らかな宣言と共に1人の決闘者が降り立った。
「Ⅳさん……ホントに、Ⅳさんデスか!?」
喜びよりも驚きの方が先に立った切歌からの呼び掛けに、Ⅳは笑みだけ浮かべて軽く答える。今は、再会を喜んでいる余裕は無い。
「話は後だ。俺のファン達に随分なことをしてくれたみたいじゃねぇか」
「バカな!? 大神をも縛る双魔神の魔術を、何故人間ごときが……!?」
「ナンバーズを持つ者は、時間操作の類の影響を受けません。悔しいでしょうねぇ」
絶対の自信を持っていた双魔神の魔術が人間に破られたことに、無限法師は驚愕を露わにした。
その醜態を、Ⅳはわざとらしい煽り口調と共に鼻で笑って挑発した。
「ファンサービスはしなくていいのか? 希望を与え、それを奪う男よ」
屈辱にわなわなと肩を震わす無限法師を余所に、今度はフェイトが嘲笑混じりにⅣへと問い掛ける。
フェイトはその素性も相俟って、全ての参加者の詳細なプロフィールを把握し管理している。
だからこそ、Ⅳが今と最も掛け離れていた時期を引き合いに出し、動揺を誘う。
しかしⅣは、これすらも一笑に附してみせた。
「そういう時もあったさ、確かにな。だが、今はそういうわけじゃないのさ。さぁ、切歌! 俺からのファンサービスだ、受け取れぇ!!」
Ⅳからのファンサービスという号令を受け取って、先程の赤と白の獣が、切歌の前へと現れた。
「ゾナ!」
「ブオー!」
「な、なんデスかこれー!?」
……それらは、獣ではあるのだが、本当に獣なのか疑わしいものだった。そもそも鳴き声からしておかしい。
ふくよかで全体的に丸みを帯びた外見は、赤い鳥と白い牛のぬいぐるみや着ぐるみのようだった。
「ゾナーとブオーだ。切歌、こいつらを使え」
「け、けど、牛と鳥で、私はどうすればいいんデスか!?」
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板