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あと3話で完結ロワスレ
731
:
第298話『運命に囚われし者たち/運命に挑みし者たち』
◆9DPBcJuJ5Q
:2014/01/16(木) 00:54:11
「アバンス、エミリア……よかった」
アバンスが立ち直り、エミリアが笑顔で逝けたことを見届けた劉備は、その場に崩れ落ちた。
龍の牙に貫かれた部分だけでなく、応急処置で止血していた腕の断面からも夥しい量の血が溢れ出て来た。
「劉備!」
「劉備さん、しっかりして下さい!」
切歌とマローネが駆け寄るが、劉備は荒い呼吸を繰り返すだけで応えることもできない。
どれだけ傷つこうとも、如何なる困難や強敵に直面しようとも。
先陣に立って戦い続け、仲間達を導いて来た侠の今にも息絶えてしまいそうな姿は、今まで一瞬たりとも想像していなかった。出来るはずもなかった。
マローネと切歌は、すぐさま支給品から回復用のエレメントを取り出し、発動させる。
瀕死の状態から復活させるリカバー、仲間全員の傷を癒すケアルガやヒールウィンドなど、ありったけを使った。
しかし、劉備は一向に目を覚まさず、傷口からはとめどなく血が溢れて来る。
「どうしよう……血が、血が止まらないデス……ッ」
それが意味するのは、治癒の魔法やエレメントが通じないほどの状態であり。
劉備の命は死の運命を覆せない瀬戸際にあることを意味していた。
「俺は……俺は、なんてことを……!」
全体回復のエレメントの効果の恩恵で傷が癒えたアバンスは、そのことで却って心に傷を負った。
自分を救おうと、誰よりも必死になってくれた、己の命さえも顧みずに戦ってくれた友の命を、自分が奪ってしまった。
エミリアの時と同じかそれ以上の自責の念がアバンスを襲うが、もう自暴自棄になることは無い。
寧ろ努めて冷静に、劉備を救う為の術を見つける為に考えを巡らせていた。
そこで、ふとある物が目に入った。
まるで劉備に寄り添うように転がっている4つの珠――氷結界の三龍のコアと秘宝・龍の涙が。
加えて、自分の腰にはキュウビから奪い返した、ジェムナイトの融合の力の結晶であるマスター・ダイヤの剣が進化した戦友セイクリッド・ソンブレスの短剣がある。
そして、手にはエミリアが遺したリチュアの写魂鏡、傍らにはケルキオンの二つの杖の内リチュアの儀水鏡が変化した杖もある。
これらの力を、全て合わせることができれば。
アバンスが一縷の望みを見出した、その時。
頭上から、更なる絶望を告げる声が響いた。
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