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あと3話で完結ロワスレ
729
:
第298話『運命に囚われし者たち/運命に挑みし者たち』
◆9DPBcJuJ5Q
:2014/01/16(木) 00:47:53
だが、天を翔ける龍は、この程度では落ちない。
「アマテラス! 切歌! マローネ! 今だああああああ!!」
5頭の龍に貪られながら、劉備は龍帝の力を発揮し、自分諸共にアバンスの魂を蝕もうとする邪悪なる闇の力に拮抗する。
命など惜しくは無い。友を救う為ならば、命を擲つ覚悟など疾うに済ませている。
闇に染まったアバンスと氷龍たちは強烈な光の力に苦悶の呻き声を流すが、同時に龍達の目から一筋の涙が伝った。
劉備には、三龍達の声にならぬ慟哭が、言葉にならぬ嘆きが、ひしひしと伝わって来た。
あり余る力を利用され、その力故に利用され続け。心も体も侵され、蹂躙され、凌辱され、氷龍たちは泣いていた。邪悪からの解放を願って、ただただ祈り続けていた。
はっきりと分かる、この龍達もまた、同じ世界に生きる命。劉備が手を差し伸べるべき民なのだと。
ならばこそ、尚更この命を懸ける意味があるというもの!
劉備の心に応えるように、アマテラスが草薙の剣と一閃の筆しらべを翻してグングニールとブリューナクの首を落とす。
残るトリシューラの三ツ首は1つを残して狙いを劉備からアマテラスに変えたが、そこへ切歌の一撃が割って入る。
「堕悪馬吸夢、発射デェース!」
厳密に言うとそれは発射するものではなく吸収するものだが、そんなことは些細なことだ。
堕悪馬吸夢(ダークバキューム)は対象の肉体すらもエネルギーに変換して吸収する装置。
これを利用してアバンスが吸収した様々なものをエネルギーとして可能な限り吸い取り、弱体化させる。これこそが後に続く秘策の為の大前提であった。
エネルギーを吸い取られ、怪物の膨れ上がった醜悪な姿が次第に小さくなっていく。
だが、怪物が吸収していたエネルギーの総量は桁外れで、全てを吸収し尽くす前に堕悪馬吸夢の容量の限界に達してしまった。しかし、これで十分。
怪物が力を奪われ戸惑っている隙に、切歌は続けて一枚のカードを取り出す。
「更に速効魔法『融合解除』、発動デス!」
これこそが、アバンスを救う為の秘策の第一手。
アバンスが行った吸収はダークネスローダーを媒介として制御された超融合の力によるもの。
故に、この融合解除によって取りこんだものを強制分離できるのではないか――蒼沼キリハと遊城十代が遺してくれた希望は、彼らの思い描いた通りの結果を導き出した。
怪物が取り込んだ諸々が混然一体となったカオスは四散し、本体のイビリチュア・リヴァイアニマの姿が露わになった。
リヴァイアニマは血走った眼で力を奪った張本人である切歌を睨み、魔剣シヴァを手に彼女に襲いかかる。
刹那、割って入ったアマテラスの沖津鏡の盾がそれを遮り、続けざまに放たれた神業・イズナ落としによって死海の波間に叩きつけられる。
この間に、最後の一手をマローネが執り行う。
「彷徨える魂よ、導きに従い現れ出でよ! 奇跡の能力、シャルトルーズ!」
物質を媒介として、霊魂に仮初の肉体を与える、正しく奇跡の能力。その担い手たるマローネがいるからこそ、この策は成り立った。
アバンスの救済の願いと共に託されたケルキオンの杖を強く握りしめ、マローネはリチュアの写魂鏡に期せずして閉じ込められてしまった魂――リチュア・エミリアのスピリット体に働きかける。
今やエミリアのスピリット体は他者に姿を見せられないほどに衰弱している。しかし、マローネのシャルトルーズならば今一度、彼女に仮初の体を与えることができる。
エミリアとアバンスを、もう1度会わせることができる。
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