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あと3話で完結ロワスレ

643虫ロワ 第100話・TAKE2『バグズ・ライフ』 ◆XksB4AwhxU:2013/08/05(月) 13:40:07
「シアン・シンジョーネ!」
「生きてやがったのか……」

ユピー、ティン、ヤマメの3名は、部屋の入り口で息を切らすシアンに敵意の篭った眼差しを向けた。

「その男の言う事は……事実だ。脱出方法など最初から用意していない」
「このアマ……!」
「よせ、ゆぴいよ……しあん、お主が」
「ああ、脱出方法は、これから私が作る」
「信用するとでも思っているのか?」
「それはお前たちの勝手だ。私は為すべきことをするだけだ」
「てぃん……わらわも保証する。しあんにもはや、敵意はない」
「……方法は?」
「『時空魔法陣』を開く。『コドク』の儀式は魂の解放によりお前たちに破られたが……
 『コドク』により集められた魔力はまだいくらか残っている。
 お前たちを元のところに帰すくらいなら、何とかなるだろう」
「……では、わらわは屋敷に送ってたもれ」

最初に行き先を告げたのは、虫愛づる姫君だった。
彼女だけは、予知で『時空魔法陣』を見ていた。
シアンが目を閉じ空中に手をかざすと、スパークと共に空中に魔法陣のリングが出現。
それは拡大を続け、シアンの身長ほどのサイズで静止した。姫が予知で見たものと同じ魔法陣だ。
リングの内側には、夜の水面のように波打つ膜の向こうに……うっすらと大きな木造の邸宅が見える。

「ここを通り抜ければ帰れる……別に時速600キロを出す必要はないからな」
「? ともかく、向こうに見えるのは、間違いなくわらわの家じゃ。信じてやっても良いと思うぞ」

3人は実際に出現した魔法陣と姫の言葉に、幾分警戒を和らげた様子だった。

「本当に信じて良いのね?あたしとこの子は、幻想郷の地底の入り口へ頼むわ。ねえ……」

ヤマメがぶつけた質問は、参加者の立場からすればごく当然の質問だった。


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