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あと3話で完結ロワスレ

640虫ロワ 第100話・TAKE2『バグズ・ライフ』 ◆XksB4AwhxU:2013/08/05(月) 13:38:40
既に蜘蛛の糸は姫の手を離れていた。
王蟲を先頭に、ヒトと、蟲と、それ以外の何かの魂が、蜘蛛の糸に連なり天へと還ってゆく。
生前の姿を模していた魂の像が、次第にぼやけ、薄くなり、遠く何処かへ離れてゆく。
文字通り魂の抜け殻となり、仰向けに倒れたシアン・シンジョーネ。
首の裏から一瞬、焼けるような痛みが走った。『呪印』が解かれたのだ。
もはやこの蜘蛛の体も必要ない。持ち主に還そう。姫は念能力を解除し、ヤマメの半身との融合を解いた。
シアンの胸からは依然、天に向かって延びてゆく蜘蛛の糸が……糸を掴んだ手が湧き出てくる!
実体のある、手が!シアンの胸から!腕が!肩が!身体が!バリバリと肉を裂きながら!

「お、お主ら……!……何者じゃ!?
 ええと、『やまめ』に、『ゆぴい』に、その『飛蝗頭』は本当に何者じゃあ!?」
「ティンよ。なかなか美味しそうな顔でしょ?」
「……やまめよ、それは無いのう。して、なぜお主がゆぴいの胴体を!?」
「だってあたし、出てきても足が無いし」
「だからって俺の身体奪う奴があるか!?」
「ゆぴいが縮んでおるのはそのためか……でも、良かった。3人とも無事だったのじゃな」
「4人よ」
「ああ」

蜘蛛の糸を手繰り、魔王の魂から最後に脱出を果たしたのは、
ユピー、ティン、ヤマメと、彼女が左手に持つ卵の『4名』であった。
魂のみならず、肉体をもシアンに奪われた彼らは
魔王の魂の中でワグナスより教わった術・同化の法でシアンから肉体を奪い返すことにより、生還を果たしたのだ。
……ユピーが迷う間にヤマメが余分に身体を同化してしまうというイレギュラーは発生してしまったが。


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