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あと3話で完結ロワスレ

622虫ロワ 第100話「完全変態、そして」 ◆XksB4AwhxU:2013/08/05(月) 10:10:42
「ハアッ……バケモノが……!シュッ!シッ!ハッ!」

そしてシアンに叩きこまれた打撃が200を超える頃の事だ。
今まで一心不乱に、怒りのままに攻撃を続けていたティンが、異変に気付いた。
なぜだ。疲労を推して今まで闘って来て、体力は限界に近づいてきているはずなのに……
技のキレが増してきている。シアンに傷が、少しずつ残り始めている。
傷の治りが、攻撃に追いつかなくなってきている。
……そうだ、怒りだ。あの信じられない脚力を生んだのは、怒りの感情だ。
もっと怒りを。
ティンは、ヤマメが『アゴ』に食われる瞬間の映像を脳裏に浮かべながら、膝蹴りを繰り出した。
シアンの脇腹が削り取られ、初めてシアンの四足がぐらついた。
怒れ。
ゴッド・リーの全身を突き破ってキノコが生長する音を思い出しながら、逆側に回り込み、肘鉄を叩き込んだ。
煙を上げてシアンの肉が削げ、白い背骨が露出した。
もっとだ。
礼拝堂で庇い合うように死んでいた、ヤマメの知り合いの少年と背中に蝶の羽根を持つ少女を埋葬した時の感触を思い出しながら、
シアンの後ろ脚をローキックで斬り落とした。
怒れっ。
突然「逃げろ」と叫んだ瞬間、産まれ出たリアルクィーンに体内を食い破られた本郷の最期をフラッシュバックさせながら、
腹を蹴り上げる。宙を舞うシアン。
怒りだ!
小吉が偽神・オルゴ・デミーラと壮絶な相討ちを遂げた瞬間を目撃した時の無念・後悔を反芻しながら
浮き上がったシアンに追撃を加えた。
怒りしか無い!!
デイヴス艦長、一郎、菜々緒ちゃん、ヴィクトリア、再会を果たすこと無くこの場で死んでいったバグズ2号の仲間達を思い出す。

怒涛の連撃とともにシアンの周囲を旋回するティンは、いつしか黒い竜巻となっていた。
狙った相手を削り取り尽くす、呪われし竜巻である。
シアンは竜巻の中を木の葉のように舞い、
ミキサーに掛けられたトマトのように撹拌、粉砕され、血と肉片の赤い雨となった。


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