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あと3話で完結ロワスレ
621
:
虫ロワ 第100話「完全変態、そして」
◆XksB4AwhxU
:2013/08/05(月) 10:10:18
シアンの身体が頭からへそまで左右に分かれ、『開き』となった。
重力の作用のままに、それらはバラバラの向きにグニャリとしなだれてゆく。
力を使い果たし、ボトリと倒れかかるヤマメ。シアンの下半身に『騎乗』する格好だ。
だが、当のシアンの四つ足は……未だに床をしっかり踏みしめている!
『開き』はすぐに動き出し、背中のヤマメにバクリと食らいついた!
「くそおっ!」
間近まで間合いを詰めていたティンは、シアンの『新たなアゴ』の付け根に会心のミドルキックを叩き込んだ。
……はずだった。脚がシアンの身体を通り抜けている!?
違う!蹴りによって切り裂かれたそばから、傷が癒えている!
めりめり、ぼきぼき、ばきっ。ぐじゅっ、じゅうじゅう。
ヤマメに食らいついた『アゴ』が激しく蠕動し、咀嚼する。
ヤマメは……もはやミンチだろう。一目で判るほど無慈悲な蠢きだ。
シアンは『アゴ』からヤマメの肉体を『しぼりとる』ことによって、回復力を増しているのだ。
「返せよ……ヤマメをっ、子どもを返せっつってんだろうがああああ!」
ティンが渾身の打撃をいくら叩きこもうとも、シアンにダメージは残らない。
シアンはティンのことなどもはや眼中に無く、反撃も防御もせずに、
ひたすらヤマメの身体と妖力を貪っている。
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