したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

あと3話で完結ロワスレ

620虫ロワ 第100話「完全変態、そして」 ◆XksB4AwhxU:2013/08/05(月) 10:09:52
「シッ!!」

ティンが小さな掛け声と共にシアンの傍を駆け抜けると同時、刃と化した右肘が煌めき、
吸引の負圧を生み出さんとして動き出したシアンのノドをバッサリ切断した。
シアンの生首は30cm垂直に飛び上がり、時計回りに90度回転して元の場所に着地。
だが、新たな接合面となったシアンの左頬が一瞬にして首と癒着し、食道と気管はすぐさま再構築された。
吸引作業は、ケースに挿し込まれたままのストローから、当初の予定通り開始された。

ずじゅっ、ずごごごっ

プラスチックケースの不快な振動音が部屋に小さく響く。
粘度の高い液体が吸引される音だ。

俺の、俺たちの子が。確かに首を落としたはず。
この、バケモノが。次こそ、仕留める。
振り返ったティンが見たのは、横倒しの頭から垂直に串刺しにされたシアンの姿……
左手の剣をシアンの耳孔にねじ込む、ヤマメの上半身だった。

「返せ……あたしの子ども、返セッ……!」

毒符「樺黄小町」。ヤマメは上半身を斬り落とされた瞬間にそのスペルカードの効果で身を隠し、
糸を飛ばしてシアンの真上に回りこんでいたのだ。

「殺す、殺してやるっ……殺ス、殺スコロスコロス……」

ヤマメはかすれた声でひたすら呪言を繰り返している。
憎悪に歪むその表情はまさしく悪鬼羅刹のそれだ。
『断面』から自らの血肉がこぼれ落ちるのも厭わない。
ヤマメはシアンの肩に右前肢を掛け……
左手でシアンに根元まで刺さった『メタルキングの剣』の柄を掴み……
全力で引き倒した。

みしっ、ばきばきめき、ぶしゃっ。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板