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あと3話で完結ロワスレ

617虫ロワ 第100話「完全変態、そして」 ◆XksB4AwhxU:2013/08/05(月) 10:07:47
「悪いが…先手必勝でやらせてもらう!」

ヤマメが立ち竦むのをよそに、シアンの緩慢な動作を見たティンが飛び出していた。
口を衝いて出たのは、戦友であるゴッド・リーの言葉。
このバトル・ロワイアルのオープニングで真っ先に主催者への反抗の意志を示した、
ミイデラゴミムシのバグズ手術被験者である。
彼は、その言葉と共に司会者である皇兄ナムリスの首をその能力で灼き斬ると同時に、
全身を突き破って生長する巨大キノコにまみれて死んだ。
リーはこのバトルロワイアルに逆らった者がどうなるか、最初の見せしめにされたのだ。
ティンがこの場でその勇気ある戦友の言葉を借りたのは、殆ど無意識下の事であった。

「……――!……駄目ッ!!」

我に返ったヤマメがティンを制止する。
迫り来るティンにゆっくりと顔を向けたシアン、その双眸に急速に妖力が収束している。

次の瞬間、シアンの両目から一瞬だけ鋭い閃光が煌き、ティンの全身を包みこんだ。
『王の怒り』と呼ばれる凄まじい熱線。
シアンがその存在を賭して求めた存在、『魔王』の術である。
蟲毒の儀式を経て得た膨大な魔力、妖力、オーラ、そして何より、
失意のうちに死んでいった蟲たちの怨念……呪いを一身に集めたシアンは、
最早『魔王』に限りなく近い存在になりつつあったのだ。

「ティン!!」

1秒置いて、『王の怒り』の余波でティンの周囲の床・壁が爆裂した。
アリ塚の土壁が瞬く間に沸騰する程の熱量。
タンパク質と水で出来た身体など、灰を吹くように蒸発してしまう。
続けてシアンからこちらに向かって、山なりに何かが大量に飛来してきた。
無数の七色の羽根。『ふりそそぐ羽』の弾幕だ。
今まで見てきたどの弾幕よりも殺意の篭った弾幕……かわせない!


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