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あと3話で完結ロワスレ
442
:
300:ウソツキハッピーエンド
◆YOtBuxuP4U
:2013/04/10(水) 22:51:00
「54時間かあ。二日と四半日」
「&strike(){案外長いなおい}やることはやったし、なにしよっか?」
「ゲームならいっぱいあるよー。前来た時あそこの棚に隠しといたからね私」
「さすがツッキー。でも、スマブラやマリオパーティで最期のひとときというのはどうなんでありましょう……」
それもそれでいいけどね、と付け加えたあと、五人は机を囲んでうんうん唸る。
ひとしきり粗潰し、しらみ潰しを終えたら。
普通(ノーマル)の少女である五人にはもう何も出来ることがない。
それでも、たとえば残り3時間しかないなら悩むことはない、仲良く駄弁って終わればいい。
ただ54時間もあるとさすがにずっと喋っていてもネタが尽きるし、
――多分、なんだか時間を無駄にした気になる。
何が出来る? 何をすればいい?
後悔せずにみんなで終わるために――あとなにか足りないピースはあるだろうか。
「足りない……足りない、か。
足りないって言えばさ、もしかしてここなら、あれがあるんじゃないかな」
「?」
「ちょっと待ってて。えっと……こっちかな……?」
何かを思いついたらしい喜々津嬉々が、生徒会室の試料棚を漁り始める。
がさごそ、がさごそ。ぼうっとそれを見つめながら、次葉が不意に呟いた。
「なんか、実感わかないなあ。これから私たち、死ぬんだ。
死ぬ。死ぬ……死んだら、どうなるんだろうなあ。
なんにもなくなって、私なんてなかったことになるのかなあ」
「そうではないでありましょう。ジロちゃんが生きていた証は、きっとどこかに残るでありますよ」
「あたしはそうとは思えねーかな。&strike(){うん、きっとそうだよ}」
「タカちゃん、本音と建前が逆になってるけど…?」
「&strike(){今さら本音も建前もねーだろ}……よいしょっと。えい」
(ぽい。っとセリフに手を突っ込んで打ち消し線を取り除く)
「よし。あーあー。……今さら本音も建前もねーだろ?」
「物理的に全部本音にしたー!?」
「今日は珍しくツッコミ冴えわたってんなジロちゃん。
でだ、話の続き。あたしたちが生きてた証が残るかどうかだけど……残るかなあ。ホントに」
「……?」
「黒神めだかとか、安心院さんとか。それこそ球磨川先輩とか。
ああいう、歴史に名を刻んじゃうタイプの特別な人間は、きっといつまでも証を残せるだろうけど。
あたし達って言ってみれば、安心院さんの駒1号〜5号とか、
そういうくくりでまとめられちゃう存在だろ? そんなあたし達の生きた証が、いつまでも残るか?
戦国時代に死んだ雑兵の名前が一人一人明確に残ってるわけじゃないのと同じ。
少しはどうにか残っても。いつかは、忘れられるだろ」
メガネと帽子を外して、胸に手を当てながら財部依真は淡々と言葉を連ねた。
死んだ人間は、周りの人の心の中で生き続ける。
なんて詭弁を人は言う。
本当にそうだとして、ではどうだろう、死んだそのAさんを覚えている人が全員死んだら、
Aさんは今度こそ本当に死んでしまうことになるじゃないか。――こう財部依真は言いたいのだ。
「そ、それはそうかもしれないでありますが。
少しでも残るのであれば、それで十分ではないでしょうか? 少なくとも私は……」
「そこで満足するって手もあるよ、確かに。現にあたしは、
死ぬ間際までワニちゃんやツッキー、ノゾミちゃんにジロちゃんと一緒にいられるってだけで、
けっこう満たされてるなーなんて思ってる側面もあるんだ。でもさ」
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