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あと3話で完結ロワスレ

440300:ウソツキハッピーエンド ◆YOtBuxuP4U:2013/04/10(水) 22:47:58
 
 「てこ」の要領で跳ね上げられたから揚げは処理の口へと着弾! 思わず噛む!
 広がる味は――これは――ハバネロ団子から揚げだ!
 辛い!
 激辛い!
 処理は乙女にあるまじき顔になる! 目がぐるぐるになって、顔が赤くなる!
 少し経って今度は青くなる! ちょっとして口から火を噴いて叫ぶ。

「けほっ、む、むりぃっ! キャラを保つのが無理なくらい辛いよぉっ! あ、阿久根どの〜〜!」
「……機械的に言わせていただくと、
 ワニちゃんの感じる辛さは阿久根氏でもどうにもできないと思われます」
「そこ突っ込むんだノゾミちゃん!? って驚いてる場合じゃない!
 いざっ! 魔法少女ワンダーツギハ、神聖なる煮込みリンゴを食して天星の――」

 からん。
 ワンダーツギハの箸は空を切った。

「ってあれ? 無い?」
「&strike(){お前ら正直コントしすぎなんだよなぁ}えへ、ごちそうさまでした」
「「「タカちゃん!!??」」」
「&strike(){ざまぁwwwww}ふふふ、食べたのは私でしたー。でも、そこまで美味しくはなかったかな」

 いつの間にやら、あざとい笑顔でぺろりと口の端を舐めたのは財部依真であった。
 静かにかつ狡猾に、気取られないように箸を伸ばした綺麗な漁夫の利。
 財部依真はステルス・箸使いだったのだ。
 リンゴをめぐる鍋上の殺し合いはこうして決着を迎えた。
 ぱちくり、他三人は顔を見合わせて……そして大笑いを始める。
 してやられたー。おいしいとこ取ってくなータカちゃんは。ちょっとくらい分けてよもー。
 四人が笑いあう光景を、水晶は遠巻きに慈しむように眺めている。

 その次は謎の桃色こんにゃくを巡って4人は殺しあった。
 その次は最後の一個のロシアンから揚げを巡って4人は殺し合った。
 その次は見ていた水晶も妨害役に加わって、5人で白玉団子フルーツを巡って殺し合った。
 大きな鍋に闇鍋した、たくさんのおかずを巡って。
 数えきれないほど少女たちは殺し合って。
 胃袋の空白を埋めるように殺し合って。殺し合って、殺し合って、鍋が空になるまで戦い続けて。

 お腹がいっぱいになったら、苦しくなったし他に見てる人もいないので、
 女子らしさなんてかなぐりすてて、その場にぐでんと寝転んでやった。

「あはは。もう無理、入らないや。体力ゲージ全回復ってかんじ」

 大きくなったお腹をさすりながら喜々津嬉々が言った。

「こんなに食べたのはいつ以来でありましょう……昔は兄と大食い競争をしたりもしましたが」

 今は亡き兄のことを少し思い出しながら鰐塚処理がぽつり口ずさんだ。

「こういう形で食事に参加したのは初めてでしたが、楽しいですね、食べるのは」
「でしょ?ノゾミちゃん」
「ええツギハ。私も最後に……お腹がいっぱいになった気分が、します」

 希望が丘水晶と与次郎次葉は近くに寄り添いあって、ふふ、と笑いあった。
 
「……それで。これから、どうしよっか?
 ルール通り最後の一人を決める? ――ホントに殺し合っちゃう?」
「ははッ、まさか」「ありえないであります」
「それはないよ、タカちゃん」「ええ。その提案には賛成しかねます」
「&strike(){だよなあ}……あたしも、そう思ってた」


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