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あと3話で完結ロワスレ

439300:ウソツキハッピーエンド ◆YOtBuxuP4U:2013/04/10(水) 22:46:46
 
 
 ぐつぐつと煮える土鍋が四角形の机の中央に置かれている。
 そして、一体どこから調達してきたのか四つの座布団が机を囲むように置かれ、
 ロボ娘・水晶を除く四人の少女たちがそれらに座り、箸を持って鍋を覗き込んでいる。

「……」「……」「……」「……」   「……」 

 少し離れて希望が丘水晶が同じ色の座布団に正座して、
 空の湯飲みを膝の上に置いて和み、食事の雰囲気を共有している。
 土鍋の中は鰹節とか昆布とかで出汁をとったアッサリめで何にでも合うスープに、
 中学生の好奇心と悪ノリで様々なものを放り込んだ――所謂「闇鍋」だ。

 箱庭学園の最大の要、本校舎の一室。 
 黒神めだかが、そしてこうならなかった未来では人吉善吉が、
 生徒会長として日々活動を行っていた場所……生徒会室にて。
 36時間もの間何も口にしていなかった少女たちは、まず腹ごしらえをすることにした。

 時計塔の一室にある食育委員の調理室。
 その部屋には沢山の食材が常に保存されているのを、彼女たちはオリエンテーションで知っていた。
 時計塔の屋上から下に降りるついでにそこへ行き、
 痛んでいない食材を出来る限り抱えて駆け下りるのに一時間を要したのは少し計算外だったが。

「機械的にお知らせします。あと5秒で煮込みが完了します。『5』」
「ふふ……中央のリンゴは渡さないぜワニちゃん。意外と美味いかもしれないし!『4』」
「ほう、この鰐塚処理の暗器(お箸)のスピードを甘く見ておりますなツッキー?『3』」
「むむむ、二人はリンゴ狙いかぁ……じゃああたしはやや左のロシアンから揚げを。『2』」
「&strike(){おまえら最初から攻めすぎだろ!?}あたしは……ちくわで……。『1』」

 少女たちは楽しく料理して。
 まず手を合わせて、大きな声で感謝のひとことを叫んで。

「「「「「いただきます!『0』」」」」」

 カウントが0になると同時に、鍋上の殺し合いを始めるのだった。

「いくでありますよー! 必殺鰐塚式、《口止め料理(ブロッククック)》!!」

 まずは見敵必殺!
 勢いよく飛び出した鰐塚の箸が暴力的に閃いてこんにゃくを跳ね上げる。
 そして中央のリンゴを無事に掴み口に運ぼうとしていた喜々津の、
 無防備に空いたその口めがけてこんにゃくをシュート!
 こんにゃくがゴールイン! 「もがッ!?」 これではリンゴを口に運ぶことができない!
 しかもこのこんにゃくはカミカミメニューだ!

「にゃんほいうほとふぁ(何ということだ)……! 噛み切るのに時間がかかって」
「リンゴは食べられないでありますねぇ! さあツッキー、リンゴを渡すであります!」
「ちょっと待ったぁー! まだわたしの「銃」があるよん!」
「なにっ!?」

 それは一瞬の油断であった!
 突如として横からかけられた声に気を削がれついそちらを見た処理が見たのは、
 すでにロシアンから揚げを一つ無事に食べ終えたらしく、
 しかしさらにもう一つ、箸にロシアンから揚げを「装填」した与次郎次葉の姿!

「――Bang!」
「もがっ……。……。〜〜〜〜!!!!」


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