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あと3話で完結ロワスレ
408
:
剣士ロワ第300話「光」
:2013/03/14(木) 00:21:12
常闇の皇から放たれるプレッシャーが、本体が姿を現したことによって殊更に強まる。
そして、逞鍛は何ら抵抗することすらできず、常闇の皇に捕まってしまった。
巨大な手で獲物を掴んだ状態で膨大な闇の力を放出し、相手を握り潰しながら最後は闇の力を爆発させる、単純明快な必殺技。
絶体絶命の状況に至って、しかし逞鍛は不敵に笑った。
全ては計算通りだと。
常闇の皇から闇の力が放出されるのと同時に、逞鍛と頑駄無は同時に己の武者魂を熱く燃やし、爆心の鎧の力を、極限を超えて凄まじい速度で高めて行く。
纏う炎が放つ熱は光へと変わり、常闇の皇が放つ闇と拮抗する。
だがその代償に、逞鍛の肉体は炎に焼かれ、手足は融解を始めていた。
「待て! 何をする気だ、逞鍛!」
逞鍛の異変を察知したゼロが、常闇の皇が放ち続けている攻撃を耐え凌ぎながら大声で呼びかけて来る。
それを聞いた逞鍛は、ゼロと視線を合わせた。
「全く、この期に及んでも俺の心配などと……お前はバカか、ゼロ。衛有吾の頼みなどを真に受けて、赤の他人の俺を構って……」
この俺も……情に救われるか。
声には出さず、心の中で囁くように呟いた。
情によって心を殺されたと思っていた自分が、他者の情によって心を救われる。これを皮肉というのだろう。
いいや、違う。因果応報、この世にあって然るべき当然の摂理だ。頑駄無に心の中で諭され、素直に頷く。
代わる言葉を、ゼロに、そしてゼロガンダムとオキクルミへと贈る。
「光の戦士たちよ、戦え! 今こそ、お前達の“正義の力”を示すのだ! そして……あの、懐かしい未来を、もう1度……!」
未熟な頃、幼き日に、誰もが一度は夢見たはずの、希望に溢れた輝かしい未来。
しかし、現実を生き続ける中でどうしても忘れてしまった、棄ててしまった、懐かしい未来。
それを、もう1度見せてくれ。お前たちなら、正義の力を信じているお前たちなら、きっとできる。
感極まり、最後までは言葉が出なかった。それでも、きっと伝わっただろう。少なくともゼロならば、これぐらいは察してくれるはずだ。
気持ちを切り替え、目前の大敵を睨みつける。覚悟は、疾うに出来ている。
兄者、今、私も逝きます。不出来の弟を、どうかお叱り下さい。
そして、衛有吾。お前とは、話したいことが沢山ある。
「頑駄無、共に往くぞ!!」
「応!!」
逞鍛と頑駄無、2人の武者魂の火が交わり、1つの魂の炎となる。
心と心が繋がることで生み出される力、交魂(キャッチボール)が爆心の鎧が纏う炎と帯びる熱を、太陽と見紛う程にまで進化させる。
「爆界天衝、発火!!」
暗黒の太陽の闇に呑まれた世界に、太陽が昇る。
しかし、それは一瞬の輝き。
それでも、闇を払う確かな光だ。
その光と一つとなり、2人の武者の魂は消えて逝った。
【逞鍛@武者烈伝武化舞可編 死亡】
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