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あと3話で完結ロワスレ

403剣士ロワ第300話「光」:2013/03/14(木) 00:07:52





 常闇の皇の放った赤き結晶の牢獄から、ゼロは、ゼロガンダムは、オキクルミは、3人が同時にその呪縛を破り、最後の戦場へと帰還した。
「まさか、こんなことが……!? デス・クリスタルの悪夢から、抜け出して来たというのか……!」
 3人の帰還を、誰よりも逞鍛が驚愕した。彼自身もまた、常闇の皇のデス・クリスタルに堕ち、それ故に真に闇の世界を求めるようになり、回天の盟約を結ぶに至ったからだ。
 逞鍛の驚愕に、ゼロのみが視線を向けて応じる。だが、すぐにその視線は外れた。
「スプラウト!」
 オキクルミは碧眼の獣神の姿のまま、スプラウトの名を呼び彼に駆け寄った。
 スプラウトは、全身の鎧が砕け散り、左腕と両足を失い、腹に大穴を開けて倒れていたのだ。
 残された肉体も闇の力を取りこみ過ぎた為か、最早人間としての名残が見られないほどに変質し、辛うじて顔に人としての面影を見出せる程度だった。
 スプラウトの凄惨な姿を見て、誰もが悟った。
 自分達が闇に囚われている間、彼は命を懸けて自分達を守り抜いてくれたのだと。
 オキクルミが駆け寄ると、スプラウトは残された右手で握りしめていたイルランザーを放し、戻って来た3人の顔を見て、微かに笑みを浮かべた。
「ふ、ふふ…………最後の、最後に……やっと、守れた……」
 今までスプラウトは、戦いの中に身を置き、最強の剣士と謳われながら戦いの中で大切なものを守れなかった。
 最愛の孫娘、ブリアン。そしてお節介焼きの愛すべきバカの聖騎士、カイ。
 自分の目の届かぬ所で、自分の目の前で、彼らを失った。自分には、彼らを守れるだけの力があるはずなのに。
 だが、今は。今度こそは。守るべき仲間達を、守り抜くことができた。
 これで、2人に少しは顔向けができる。
 復讐と憎悪の闇に呑まれた20年を超えて、再び光を取り戻した輝ける聖剣は、安堵しながらその生涯を終えた。
「スプラウト!!」
 ゼロも駆け寄った時には、既にスプラウトの息は止まっていた。やがて、スプラウトの肉体は、塵となって消えた。
 そして、3人を守っていたもう1人の剣士に、ゼロガンダムは背後から詰め寄った。


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