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あと3話で完結ロワスレ
400
:
剣士ロワ第300話「光」
:2013/03/14(木) 00:01:00
何もかもが破壊し尽くされた瓦礫の山の上で、ゼロは項垂れたまま動けずにいた。
望まぬ破壊に疲れ果て、最早自発的には思考すら働かないほどの状態に追い込まれていた。
このまま何の刺激も受けなければ、瓦礫の山の高さが上がる。
それでいいのだと、ゼロは感じていた。
壊す以外に脳の無いモノなど、一体、誰にも止められるというのだ。この世のどこに、身の置き場があるというのだ。
自分自身の造られた理由、存在意義を知ってしまったが故に、ゼロは自分自身を肯定することも否定することもできず、闇の底に沈むしかなかった。
すると、ゼロの眼前に小さな光る球体が現れた。
「ゼロ……どうしたんだい? 君らしくないよ、そんな顔は」
球体が発したゼロの名を親しげに呼ぶ声を聞いて、ゼロはそれを凝視した。
今の声は、決して聞き間違えることなどない。あいつの声だ。
「エックス……?」
ゼロが連想した名をそのまま呼ぶと、光る球体はレプリロイドの姿の立体映像を投影した。
その姿は、多少アーマーの形状が変わっていたが、紛れも無くエックスだった。
自分が破壊してしまったはずの親友が目の前に現れ、ゼロは内心で大きく動揺した。だが表面上は冷静を装い、エックスへと問い掛ける。
「今更、俺に何の用だ?」
「君を、君の往くべき戦場へと導く為に」
即座に返って来た答えに、ゼロは激怒した。
今、こいつは俺に、戦場に行けと言ったか? 戦いに行けと、破壊の限りを尽くせと言ったか?
……ふざけるな!
「ふざけるな! こんな……壊すことしかできない俺に! 今更、何をさせようっていうんだ!! 敵を壊して、壊し続けて……! それでいつか、終わりが来るのかよ!!」
感情の昂るままに、エックスを怒鳴り付ける。もしも彼に未だ肉体が存在していれば、胸倉を掴んで殴りかかっていそうなほどの剣幕だった。
それほどに、ゼロは自ら存在に絶望していた。
友や最愛の女性を救えず、破壊することしかできなかった。
今も尚ゼロの心を苛む過去の悲劇の原因が、自分自身の存在理由にあった。
破壊するだけのモノが、どうして誰かを愛し抜き、守り抜けるというのだ。
仮にその破壊の力で倒すべき敵を倒したとして、その先に何があるというのだ。
未来(可能性)も希望(祈り)も破壊してしまう自分に、何が残せるというのだ。
ゼロの怒りと悲しみと絶望と、様々な負の感情が混濁とした言葉を叩き付けられても、エックスの目に迷いは無かった。
「……君に、どうしても伝えたい言葉がある」
そう言って、エックスは両手を持ち上げた。両の掌には、先程までのエックスと同じ光る球体がそれぞれ1つずつあった。
それらはエックスの掌から飛び立つと、エックスとゼロそれぞれの両隣に立つ位置で、姿を変えた。
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