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あと3話で完結ロワスレ
397
:
剣士ロワ第300話「光」
:2013/03/13(水) 23:53:25
そこまで話を聞いて、少しずつ、ゼロガンダムは思い出した。
自分は、まだ常闇の皇と戦ってすらいなかったこと。
寧ろ、力を奪われ地に這い蹲って……そのまま、敵の術中に落ちてしまったのだ。
「不甲斐ない。まさか、完璧に敵の術中に落ちていたとは」
敵が精神攻撃を得手としているとはいえ、今の今までその掌中で踊らされていたことすら気付けなかった。
それはつまり、自分の心に付け入る隙があった、自らの未熟さ故のことと考え、ゼロガンダムは自戒の言葉を吐き出した。
すると、それを聞いたアルフォースブイドラモンは苦笑を浮かべながら、ゼロガンダムを励ました。
「しょうがないさ。あの暗黒砲も含めて、完璧に初見殺しだもん。だけど、君の心の強さ、そして天の刃と呼ばれる君の仲間達のお陰で、道は拓かれた」
すると、辺り一帯の景色が消え去った。滅びた王国も、無人の荒野も、何もかも消えて、無の暗黒の中にゼロガンダムとアルフォースブイドラモンは残された。
だが、分かる。アルフォースブイドラモンの言った、拓かれた道。その先にある、往くべき最後の戦場。
闇の中であろうと、もう見失うことは無い。
ゼロガンダムの心にはもう、孤独も恐怖も、迷いも無い。
「ありがとう、ゼロマル。お前に出会えて、本当に良かった」
闇に閉ざされた精神世界へ、死して尚、魂のみの存在となってまでも自分を助けに来てくれた戦友に、ゼロガンダムは心からの感謝の言葉を伝えた。
それを聞いたアルフォースブイドラモンは穏やかな笑顔を浮かべると、すぐに歴戦の聖騎士の表情へと変えた。
「僕もだよ、ゼロ。……自分の可能性を、未来を信じて。その時にこそ、闇にも絶望にも負けない究極の力が生まれる!」
その言葉を最後に遺して、アルフォースブイドラモンの魂――正確には彼というデジモンを構築するデータ――はその形を失って丸い球のような姿となり、どこかへと飛び去っていた。
ゼロガンダムはそれを見送りながら、アルフォースブイドラモンが自分達の名前の共通点を使って考えた、決め台詞を思い出していた。
「……ゼロは、一つならば無。2つで無限。そして……!」
雷龍剣と天叢雲剣を構え、それらの剣に宿る雷の力を最大限まで高める。
「ゼロガンダムとゼロマルの『0』が3つ揃えば、無限の光!」
締めの言葉と同時に両手の剣を天へと掲げ、稲妻を走らせる。雷光が闇を切り裂き、ゼロガンダムの進む道を作る。
友との言葉を胸に、ゼロガンダムは最後の戦場へと往く。
▽
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