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あと3話で完結ロワスレ
388
:
剣士ロワ第300話「光」
:2013/03/13(水) 23:21:09
気が付けば、ゼロガンダムは荒野で倒れていた。
痛む体に鞭打って立ち上がり、自分はどうして倒れていたのか、少しずつ思い出す。
「そうだ、俺は……常闇の皇の、ジェネラルジオングという機兵と戦って――……」
……――辛うじて勝利を収めた。そして、仲間達に別れを告げて、元の世界へと帰ることになったのだ。
つまりここは、ゼロガンダムの故郷――スダ・ドアカ・ワールドだ。
状況をどうにか思い出すと、一つ溜息を吐いてその場に腰を下ろし、呼吸を整え体力の回復を待つこと数十分。
歩く分には苦の無い程度に回復すると、ゼロガンダムは荒野を一人歩き続けた。
歩いた。
歩き続けた。
ただただ、只管に、歩き続けた。
時間の感覚も麻痺し、空腹と眠気にも必死に耐えて、ゼロガンダムは歩き続けた。
既に荒野は終わり、見覚えのある城下町へと至った。
しかし、誰もいない。
いや、違う。何もいない。
人も、犬も、猫も、鳥も、虫も、何一つとして、生命の気配がない。
ドゥームハイロウの発動によってザンスカール族以外の全ての命が奪われたのだから当然、というわけでもない。
我が物顔で世界に跳梁跋扈していた魔物や暗黒の一族――闇の勢力の気配すら無いのだ。
本当に、何一つとして、命と呼ぶべきものが何も無いのだ。
残っているのは、荒れ果てた街と大地だけ。
ゼロガンダムは、今まで感じたことの無いような、言い知れぬ不安と恐怖に身震いして、グラナダの王都を後にした。
その後、ゼロガンダムは幾つもの町や村、集落を巡ったが、何もいなかった。
グラナダ王国以外の国々……ドレスデン、ダバード、ブリティス、アルビオン、ミリティア、ウィナー、アルガス、ラクロア。そのいずれも、同様だった。
そして、最後に辿り着いたのは古代遺跡兵器ドゥームハイロウ。
幻魔皇帝アサルトバスターの居城となっていたこの場所でさえも、同様だった。
玉座へと歩み寄り、それを雷龍剣で一刀両断しても、それ以上は何も変わらず、何も起こらなかった。
その一撃で全ての力を出し尽くしたのかのように、ゼロガンダムは崩れるように倒れた。
その胸に在るのは、勝利の実感でも、使命を為し遂げた達成感でもなく、希望や絶望さえもない、虚無感だけだった。
誰も、何も、いない。
守るべき仲間も、共に生きる友も、戦うべき敵も、討つべき仇敵も、鳥獣や虫さえも……誰一人、何一つ、存在しない、せかい。
闇を乗り越えたその先にあったのは、光でも、希望でも、未来でもなく。
じぶんひとりだけの、えいえんのこどく。
▽
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