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あと3話で完結ロワスレ

366リ・サンデーロワ第300話「リ・スタート」 ◆nucQuP5m3Y:2013/03/07(木) 02:55:39
「よぉ……そろそろ……限界か?」
ゼクレアトルは体に傷こそ負っていないものの、息も絶え絶えに生存者に問う。
ここ部屋に突入した時には六人だった生存者は、地に伏した恋川春菊と霊幻新隆を除き今は四人。
その四人のうちでも蝉が脇腹を大きく抉られておそらくはもう戦うことは適わない。
無理やり巻いたパーカーの厚手の生地を染み透してなお滴る血が刻限を示すかのように床に赤い水溜りを作り続けている。
「まだまだ……そっちこそ、限界が近いんじゃないの?」
春瓶はぐっと歯を食いしばって、口の端を上げてみせる。
三体目の世界鬼を撃破した時、この部屋に「世界鬼の世界のルール」が適用され、具現化が可能となった頼もしい相棒、ハイドも彼に倣って笑う。
「そうだぜ三下、俺達呪術人形に似たその体、いつまで保つんだ?」
「わかっちゃいたんだけどな、制限がなければ、俺を倒すことは不可能だから……」
ゼクレアトルもまた、薄く笑って手を床にかざす。
ぼうっと光った手に呼応するように、同じく光った床から加湿器のように上がった霧が形を成して春瓶達を見下ろした。
「霧の妖怪シュムナ……さあ、斬っても突いても効かないこいつは……どう凌ぐ?」
シュムナがその体で壁や床をじわじわと溶かす様を見せ付けるように部屋中に広がると、ゼクレアトルはまたも問うた。
「気にいらねぇぜ……この期に及んで、こんな奴だとはよ!!」
一喝。
ハイドの手に握られた「荒くれ鎖鋸(テキサスチェーンソー)・暴(ハリケーン)」が床に螺旋を描く用に傷を刻む。
その傷から吹き出した暴風はそのまま渦を巻いて部屋の中心に天井へと登る竜巻を作り上げた。
「お覚悟!!」
その暴風に巻き込まれ、霧の体を一本の筋として部屋の中央に繋ぎ止められたシュムナに向かったのは鉢かつぎだ。
先刻、春瓶より託された獣の槍を飲み込み、その体を槍へと変化させて雷の如く竜巻の中心へと飛来する。
一閃。
「ぐおぉぉぉぉ」
斬れず突けずの霧と言えど、極印を込めた退魔の槍に体を侵食されたのだ、当然の如くそれは致命の一撃となった。
激しい戦いに崩れた壁の隙間から差し込むまばゆい光。
その光の中に散るように、シュムナは消え失せ、場には静寂と緊張が戻る。


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