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あと3話で完結ロワスレ

340虫ロワ第99話「コドク」 ◆XksB4AwhxU:2013/02/24(日) 00:28:38

シアンはユピーのオーラの消耗を見抜き、挑発する。
あと二、三発程度なら、この防御の陣形で十分に凌げる。

……が、再度の爆発、起きず。
膨張がピークに達しかけたユピーの体は急速にしぼみ、爆発の代わりに……
何百本もの触手が一斉に飛び出した。
それらは鞭のようにしなりながら球体と化したシアンに殺到する。
その一本一本が一流の戦士でさえ対処が困難な程の速度で迫る触手は、
瞬く間にシアンの身体にヒュンヒュンと絡みつき……
毛糸玉の様に、アリ一匹逃がす隙間も無く包みこんだ。
そして……

「うおらああああああああ!ブッッッ潰れろやああああああ!!」

ユピーは雄叫びと共に、毛糸玉から伸びる触手を有らん限りの力で引き絞り出した。
毛糸玉の表面が小刻みに震え出す。
ギリギリと自分の身体が軋み、所々から血が滲むのも、ユピーは意に介さない。

「うおおおおおおおおおおおお!」

ユピーは咆哮を上げながら、なおもシアンの身体を触手で締め上げる。
中からパキパキ、プチプチという破裂音が漏れ出す。

「ぬぅうううっ、がああああああああアアアアア!」

その叫びは、絶叫と表現した方が正しいか。
毛糸玉からどす黒い液体がジワジワと染み出しても、ユピーはまだ攻撃の手を緩めない。

「アアアアアアアア!オオオオオオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ッ、ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」

ユピーの叫びは、いつしか慟哭へと変わっていた。その顔を汗と涙と鼻水と涎などが流れ落ちる。
毛糸玉からは何と湯気が上がり始めている。
急激な圧力の上昇・体積の減少により、内部の温度が上昇しているのだ。


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