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あと3話で完結ロワスレ

339虫ロワ第99話「コドク」 ◆XksB4AwhxU:2013/02/24(日) 00:27:50
アリ塚の音色が収まった後も濃密な砂埃が生じ、視界が利かない。
怒りを放出し、醒めた頭でしばし様子を伺うユピーの予想は、砂塵の奥から聞こえてくる声で覆された。

「素晴らしい攻撃だった。
 呪印で力を制限されているその状態で、防御の体勢を取ったこの私の体を5%も吹き飛ばすとはな。」

若い女の声。
だが、埃の中から浮かんでくる姿は……それとは似ても似つかない
ユピーの頭頂高の約2倍にもおよぶ巨大な球体であった。
よく見ればその表面には、蟲達が蠢いている。
このバトルロワイアルの主催者であり、参加者でもあるこの女……
シアン・シンジョーネの正体は、無数の蟲を依り代にしたアンデッド……レブナントなのであった。
彼女は、自身の肉体である蟲達を球状に密集させ、爆発のダメージを最小限に留めたのだ。

「その力、その怨念、正しく『魔王』の糧に相応しい。
 貴様等キメラアントの王・メルエムの無念を晴らしたいと思うなら、ユピーよ。
 その体と魂、これから喚ぶ『魔王』に捧げてはくれないか?」

目の前の蟲玉が何か言っている。ユピーにそれと言葉を交わす気はさらさらない。
だが、シアンの堅苦しくてそれでいて高慢な口調はどこか『王』に似ており
聞いているだけでユピーの怒りのオーラは再装填されていく。
次こそ殺す。再度の昇圧。再度の膨張。そして、再度の……!
球状の陣形を固め、再度シアンは防御の体勢に入った。

「聞く耳持たずか。だが、果たしてあと何発その攻撃を撃てるかな?」


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