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あと3話で完結ロワスレ

332虫ロワ第99話 ◆XksB4AwhxU:2013/02/24(日) 00:18:46
どうして、こうなった……。
うっすらと覚醒してきた意識で、ティンはあてのない思索にふけっていた。
どうしてこうなった……といっても、事の因果関係について、弁解はしないし、できるわけもない。
…ちょうど12時間前、リアルクィーンというシロアリをどうにか撃破した後のことだ。
あのシロアリには死に際に自分を殺した者の身体にこっそりと卵を産み付ける習性がある……
という情報を得ていた俺とヤマメは、戦闘後に身体の隅々までボディチェックを行う必要に迫られた。
そう……身体の隅々までだ。衣服や、下着の中もだ。
鏡などが手持ちになかったので、背中などのチェックは他者に任せる必要があった。
若い男女(ヤマメの年齢は知らないが)が、全裸で身体の隅々を互いにチェックし合ったのだ。
……その後ナニがあって『こうなった』かは、容易に想像のできる所であると思う。
だが、一つだけ弁明させて欲しい。……誘ってきた、というか、押し倒してきたのは向こうからだ。
……まさかヤマメまで卵生だったとは、その時思っても見なかったことだが。

「ん、目ぇ覚めた?」

ティンがため息をつくと、当のヤマメの声が聞こえてきた。頭の後ろからだ。
目を開くと、まだらに光る土の天井がゆっくりと流れている。
脚はスベスベとした丸くて大きな物体の上に乗っている。
腰からは6本の肢がトコトコと小刻みに歩く振動が伝わってくる。
背中が小さな肩に支えられている。
どうやらヤマメはティンを担いでアリ塚を登ってくれているらしい。

「生き返ったと思ったらまた急に気絶するんだもん。大丈夫?立てる?」
「何とか、な……」

腿と背中を固定していた蜘蛛の糸をペリペリ引き剥がし、ヤマメの背中から降りるティン。
自らの身体の異変に気付いた。頭が妙に重い。手で頭に触れてみると……。
硬い……のに、体温と感覚が直に伝わる。これは俺の皮膚なのか?
まさか……!両手で頭を撫で回し、輪郭を確認する。

「……!俺の頭!戻ってない?!」
「アンタ完全にバッタ頭になって死にかけてたのよ?
 核鉄とやらをアンタの身体の中に押し込んだり、大変だったんだからね?」


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