[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
あと3話で完結ロワスレ
313
:
名無しロワイアル
:2013/02/03(日) 22:55:37
「ってアンタ、それ……大丈夫なの?」
のんきに回想している場合ではない。
ティンのダメージが深刻だ。全身に切り傷・打撲を負っている。
特に『正拳突き』を受けた腹部のダメージは深刻だ。恐らく内蔵もただでは済んでいない。
だが最も致命的なのは……ティンの頭の輪郭を覆っていたキチン質の外骨格が
顔を侵食するかのように広がりだしていたことだ。
「やっぱり、こうなっちまったか……」
ティン他、虫の能力を組み込まれたバグズ手術の被験者は通常時、
手術の効果で相容れないはずのヒトと虫の肉体を共存させている。
だが、注射の効果で肉体が虫に近づいた状態が長く続きすぎると
ヒトの免疫機構の働きでショック症状を起こし、死に至る。
テラフォーマーたちや『小の字』との闘いで薬を使いすぎたことに加え、
肝臓および腎臓の一部を『小の字』の『正拳突き』で破壊されて
注射の成分を分解できなくなっていたティンの肉体のバランスは、歯止めなく虫に傾き続けていた。
「すまない……俺はもう戦えない。上には……お前一人で行け……
あの姫サンとユピーを、助けてやってくれ……
俺は、もう死んだことになってる人間だ……生きて帰っても
居場所がない……大事なヒトも……皆死んじまった……
俺には、もう何も無いんだ……
こんな所に連れて来られたけど……
アンタや、本郷さんみてえな奴らと出会えたのは、幸運だった……
……ヤマメ、お前は、生きて還るんだ……!」
ティンの呼吸が浅く、不規則になりだした。重度の免疫性ショックの症状だ。
ティンの頭部は、もう殆どバッタそのものになりつつあった。
複眼の中心の瞳と顔の傷に、わずかにヒトの面影を残すのみである。
そのままティンは天を仰ぎ、意識を失った。
ティンの『遺言』を聞いたヤマメ。……無性に腹が立った。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板