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あと3話で完結ロワスレ
312
:
虫ロワ第98話「The half inch SPIRIT」
◆XksB4AwhxU
:2013/02/03(日) 22:51:06
「やれやれ、この油虫まだ動いてるわ」
ヤマメが6本の肢でティンに歩み寄る。
ティンは『小の字』の身体を突き破り、蹴り足を伸ばした体勢のまま地面に不時着していた。
「ヤマメ……その体は」
「アンタ達みたいなバグズ手術の被験者、とかいうのを虫の身体に近づける薬だっけ?
あたしもこう見えて一応蟲の妖怪だからね、一か八か、最期の賭けに使ってみたのよ」
「だが、アンタみたいな姿の変異は見たことがない」
「足りない身体の部品を補おうとした結果……一種の生存本能ってやつが働いたのかもね」
(それに、あそこであたしが諦めて何もせずに死んだら……あの蜜蜂に申し訳が立たないもの)
受け流されたティンの飛び蹴りをマトモに受け、絶命しかけたヤマメはあの時の事……
このバトル・ロワイアルに参加させられて間もない時にあった事を思い出していた。
その時ヤマメは休憩の為に腰を下ろそうとして、お尻を蜜蜂に刺されたのだった。
痛さのあまり跳び上がってお尻の下を見た時、
腸がちぎれて死んだ蜜蜂の他に、カブト虫が何かを運んで逃げていくのが見えた。
……あの蜜蜂は同族でもない仲間を守るために闘って死んだというのか?
それとも、カブト虫が運ぶ物体がそれほど重要だったのか?
今となってはその真意は知れない。
……だが、今重要なのはその内容ではなく、ヤマメが蜂に刺されるという、
何でもない一幕を思い出すに至った経緯。
その時ヤマメを刺した針は一旦抜き取られたが
スカートの布地の中に残っていた。
飛び蹴りを受けて壁に叩きつけられたヤマメがズリ落ちた時、その針が偶然刺さったのだ。
その時の針の痛み。注射針という発想。
そして……その時確かに聞こえたあの若い蜜蜂の
(諦めるな、アホー!!)
という檄。
あまりに荒唐無稽で人に話す気も起きないが、現在ヤマメがこうして生きているのは
あの一寸にも満たぬ蜜蜂の……魂のおかげであると実感していた。
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