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あと3話で完結ロワスレ
229
:
剣士ロワ第299話「ぶつかり合う魂」
◆9DPBcJuJ5Q
:2013/01/27(日) 00:43:32
そこで、タクティモンは違和感を覚えた。
おかしい。何故、追撃を仕掛けて来なかったのだ?
互いの剣技は、既に存分に見せ合い、最早如何なる時に決着が着こうとも悔いがない――その心意気は、トゥバン・サノオも同じだったはず。
ならば、何故――私の首を、落としに来なかった?
何故今も、息一つ乱さず、指一つ動かない?
「まさか……」
構えを解いて、タクティモンはトゥバンに歩み寄る。トゥバンは動かない。
タクティモンの間合いが過ぎ、トゥバンの間合いに入る。やはり、トゥバンは動かない。
眼前でタクティモンが立ち止まったが、トゥバンはもう、動かない。
トゥバン・サノオは、全身を己の血で染めて、両の足で立ち、両の手で剣を構え――死んでいた。
タクティモンは、呆然と、トゥバンを見詰め続けた。
暫くして、ぽつり、ぽつり、と、言葉を漏らす。
「……天晴れ、見事。トゥバン・サノオよ、貴殿の剣、その技の冴えの鋭きこと、正に閃光。……しかし、しかし……!!」
蛇鉄封神丸を手から落とし、タクティモンはトゥバンの前に膝から崩れ落ちた。
「その肉体、その志に比して、あまりにも脆し……! その生命、あまりにも……儚し……!」
何故だ。何故、このような決着が訪れてしまったのだ。
勝敗は、戦った両者の生死で決まるものなのか? 生き残ったタクティモンが勝者であり、死んだトゥバンが敗者なのか?
否だ。そんなことは、断じてあり得ない。
真の勝敗とは、生死でも、第三者の判定や規定によるものでもない。
戦った両者の心が、それを認めた時に初めて決着となるのだ。
タクティモンにはまだ、戦う意志があった。目を奪われるほどの人の可能性を見せつけられたからこそ、ならば次は自分こそがと息巻いていた。
だが、現実は……こうだ。
「何故だ……トゥバン・サノオよ……何故だ……!」
タクティモンは、戦場で無念の敗北と死を遂げた、万を超える武人デジモン達の無念の残留魂魄のデータを練り固められ、創り上げられた。
そんなタクティモンが知る中で、武人として最も悔いの残る、無念という言葉ですら言い表せないほどの虚しき最期だったというのに……!
確固たる信念の下に鍛え抜き磨き抜いた力と技の比べ合いが、生まれ落ちた種族の違いなどというもので終わらされてしまったというのに……!
「何故、お前は……! 笑ったまま、逝ったのだ……! トゥバン、サノオ……ッ」
トゥバン・サノオは、鬼神の如き形相でも、阿修羅の如き笑みでも無く、憑き物が落ちたような表情で――穏やかな笑みを浮かべたまま、死んでいた。
タクティモンは、押さえ付ける枷の無くなった怨霊体を露出させながらも、その意志は一つに纏まったままだった。
数多の武人達の無念は、誉れ高くあるべき無類の剣士の虚しき最期を悲しみ、涙を流し続けた。
【トゥバン・サノオ@海皇紀 死亡確認】
【タクティモン@デジモンクロスウォーズ(漫画版)】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(中)、兜損失、深い悲しみ
[装備]:蛇鉄封神丸@デジモンクロスウォーズ(漫画版)
[道具]:無し
[思考]:………………
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