[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
あと3話で完結ロワスレ
219
:
剣士ロワ第299話「ぶつかり合う魂」
◆9DPBcJuJ5Q
:2013/01/27(日) 00:20:16
「非情こそ我が正義! オレは……この道を、オレの正義を貫く!!」
どんな力を手にしてでも、自分の信じた正義を貫こうとする。その力がたとえ、敵だけでなく自分自身さえも滅ぼしてしまうものであっても。
そんなことが、正しいことのはずがない。そんなことの為に、自分達の力と心はあるのではない。
それに、さっさと気付け――!
「この……馬鹿野郎!!」
2人の戦いの決着は、交差と同時に放たれた鋭き一閃。
縦一文字の紫電が落ちるよりも速く、横一文字の一閃が駆け抜けた。
一閃により鎧を斬り裂かれ、逞鍛が膝を着く。
「バ……バカなッ……! 今のは……衛有吾の、横一閃……!?」
振り返ることすらせず、逞鍛は顔を俯けたまま驚愕に目を瞠り、誰に問うたわけでもなく言葉を漏らした。
ありえないはずだと、誰より逞鍛が理解していたのだ。
ゼロの持つラーニング能力であろうと、一朝一夕で天翔狩人の一族に伝わる秘剣をここまで再現できるはずがないと。
「俺のラーニング能力……だけじゃ、ないのかもな。衛有吾が力を貸してくれた……そんな気がする」
ゼロ自身もそのことを承知しているかのように、静かに呟いた。
事実、あの瞬間にゼロは自分以外の何かの力を感じたのだ。或いは、秘められた三種の神器の真の力の片鱗だったのかもしれない。
だが、深き情愛で繋がった兄弟の過ちを止める為に、亡き友が力を貸してくれたのだと、ゼロはそう思わずにはいられなかった。
「オレは……間違っていたのか? 戦いの無い世界以上の平和など……あるはずがないのに……。オレの正義の、何が……お前に劣っていたというのだ」
逞鍛は膝を着いて俯いたまま、呆然と呟いた。ゼロは振り返り、逞鍛の背中を見詰めながら、静かに言葉を紡いだ。
「その答えは、自分で見つけ出せ。ただな、お前のような“力の正義”に溺れちまった奴にこそ……俺達は“正義の力”を見せなきゃならないんだ」
ゼロの言葉に、逞鍛は何も言い返さなかった。ゼロも今は、これ以上何も言おうとしなかった。
逞鍛の暴走は止めた。後は、衛有吾の願いの通り、彼を救うだけだ。“力の正義”ではない、自分達の“正義の力”を示し、闇を覆すことで。
ゼロが逞鍛から視線を外そうとした、その時だった。ゼロの傍らに、弾き飛ばされて来た剣が突き刺さったのだ。
その剣は、オキクルミが持っているはずの虎錠刀だった。
▽
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板