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あと3話で完結ロワスレ

21299話:最終決戦  ◆Wue.BM1z3Y:2012/12/11(火) 12:15:12
そこは不可思議な空間だった。
彼らが駆け抜けた、灰色の床と壁とは打って変わり、星々が煌めく夜空の光景が広がっている。
けれど、足元にはどこまでも広がる透明な床があり、落ちることも果てに辿りつくことも無いように思えた。
呆然と周囲を見回す五人の耳に、乾いた音が響く。
「おめでとう。
 ここまで辿りついた君達には、素直に賞賛を送らせてもらうよ」
声の方角に振り向けば、そこには、100人を殺し合いに導いた男――クジャがいた。
微笑を浮かべ、優雅に拍手を鳴らす様に、リュウが吐き捨てる。
「受け取りたくもないわえ」
「それ以前に、貴様と交わす言葉などない」
ライトが言い放ち、マリアが震えながらも気丈に睨みつける。
「例え神や夫が『許せ』と仰っても……憤怒の罪科で煉獄に落とされようとも、貴方だけは許さない!」
「全くです。最も、ゲントの神は、貴方という邪悪を裁けとこそ、命じるでしょうがね」
チャモロが杖を鳴らし、最後に、ロランが剣を抜き放つ。
「お前の首を持って凱旋しなきゃ、サマルやムースやご先祖に、会わせる顔が無ぇんだよ」
彼らの宣戦布告に、クジャはつまらなそうに鼻を鳴らした。
「無粋だねぇ……戦いで決着をつけようなど、優雅さの欠片も無い」

踊るように宙を舞い、道化じみた所作で腕を広げる――その姿が、不意に掻き消える。
息を呑むマリアの首筋を、背後から、冷たい手がそっと撫ぜた。
「お望み通り始めようじゃないか。『無』に至る前に、最終章に相応しい惨劇をね」


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