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あと3話で完結ロワスレ
20
:
298話:風の止む時
◆Wue.BM1z3Y
:2012/12/11(火) 12:14:34
「すまない……バッツ」
鮮血を吐き、うめき声を上げて倒れる青年の身体を支えながら、ロランは呟く。
『誤解だ』とは言わなかった。
共に一日を過ごした仲間を、治療するどころか看取るしかできなかった以上、弁解の余地など無いのだから。
そしてバッツもまた、口を開かなかった。
諦めの表情だけを遺して逝ったのは、不意打ちを防がれた時点で、レナを救えない未来に気付いていたのだろう。
「……行こう、みんな」
バッツを横たわらせ、隼の剣を二振りし、ロランは仲間に向き直る。
ライトは、小刻みに震える手を抑え、無言で頷く事しか出来なかった。
もしもこの場にいたのがバッツとライトだけだったならば、彼は剣を抜くことすらできずに斬られていただろう。
人に刃を向けることへの恐怖。今は亡き想い人、セーラの豹変と裏切りが刻んだ心の傷。
だが、彼は、自らの弱さを叱咤するだけの精神力を持っていた。
(苦しいのは、本当に苦しんでいるのは、私ではないだろう……!)
人を殺めなければいけなかったロラン、傷ついたリュウ、守るべきチャモロとマリアの前で、弱音など吐けない。
その自負と信念が、折れかけの心を捻じ伏せ、彼を突き動かした。
目を閉じ、祈りを捧げてから、五人は屋上への階段を上っていく。
後には命を失った身体と、静寂だけが遺された。
【バッツ 死亡】【残り 5人】
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