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あと3話で完結ロワスレ
197
:
299:すべてが0になる
◆YOtBuxuP4U
:2013/01/17(木) 15:25:47
「ふざけ――ふざけるなよ、球磨川禊!」
怒髪天を突くようにして。不知火半纏はわけもわからず、
おそらく彼の思惑通りに両手になんらかのオーラを発生させる。
名称不明、安心院なじみの影武者として半纏が会得した「スキルを作るスキル」のお出ましだ。
「そうだ。嘘に決まっている。
なぜならば、その行動指針であれば、お前はあまりにも失敗しすぎている!
すでに94人死んだ。黒神めだかも獅子目言彦もだ。
本当になじみを納得させたいのなら、彼女が思い通りにできない/できなかったこの二人を、
死んでも生き残らせなければならないはずだ!
そうして、ほら思い通りにいかないだろうと笑ってやるべきだった!
なのに二人は死に! なじみも死に――お前は図々しく生き残っている!
結局は、自分が可愛いだけなんだろう! 醜く生き残りたかっただけなんだろう!」
『――そうさ。僕は球磨川禊だからね。大失敗の負け続けさ。
ホントは全員生き残らせるつもりだったのに、たった五人しか救えなかった無能人間だ。
いつまで経ってもやりたいことが出来ずに、それを自分のせいにも出来ない、失格人間だ。
それでもとりあえず、ベストじゃないけど、ベターだよ。今の状況はね』
「もういい。お前の戯言を聞くのはもういい――なじみへの弔いにもならない。
“ここに来た”ということは。最初からこういうつもりだったんだろう、球磨川!」
地面を蹴って不知火半纏は駆ける。
光るオーラを放つ両手を――スキルを作るスキルを球磨川禊に当てるために。
『ああ、不知火半纏。僕は最初からそのつもりだったんだ。
――君を倒してバトルロワイアルから逃げ切るつもりだったのさ。うん、それだそれだ。
しかし難しいだろうなあ。
君の「スキルを作るスキル」は矛盾しないテーマのスキルであれば何であろうと実現する。
言い換えれば僕の正反対だ。『なかったことにする』に対する、「あったことにできる」スキル』
「……今からお前の身体にこれを当てる!
そして球磨川禊、“お前を殺すスキル”を作り出す!
『なかったこと』にできるならしてみるがいい。俺はそうさせないスキルを作る。可能性はゼロだ」
『っははは、可能性はゼロ、か。
僕はゼロよりマイナスのほうが好きだぜ、影武者君。
ん、じゃあ僕はその0パーセントをマイナス100パーセントにしてみせよう。
かかってきな、不知火半纏。――――――――後悔しないように、全力でさ』
不知火半纏の「あったことにできる」スキル。+の∞。
球磨川禊の『なかったことにする』マイナス。−の∞。
誰が意図したのか。どうしてそうなってしまうのか。
無風の時計塔の頂上、最終局面の最期に行われたのは、あまりにも簡単でかつ大規模な足し算だった。
「――――がああああああああ!!」
『――――あはははははははは!!』
∞+(−∞)=0。
そしてすべてが、ゼロになった。
【マーダー・球磨川禊――消滅】
【主催者・不知火半纏――消滅】
かくしてバトルロワイアルの真実を知る者は全員消えて。
全ては、『なかったことに』――――――なった、の、だが。
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