[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
あと3話で完結ロワスレ
196
:
299:すべてが0になる
◆YOtBuxuP4U
:2013/01/17(木) 15:23:10
安心院なじみは全能に近い能力を有する。
自分が漫画の中の登場人物にすぎないと錯覚してしまうくらいになんでもできてしまう。
よって当然のように未来を予知する能力も複数所持しているが、彼女の持つこれらのうち多くは、
少し行動を起こせば変えることができる不確定な未来を予知するものだ。
しかし、不知火半纏の作った《土曜の夜に感想(ネタバレセンチメント)》は違う。
すでに確定している未来を読む――何故か作れてしまった矛盾テーマのスキル。
使えないはずのスキル。
『きっと、ほんの一兆分の一の気まぐれだったんだろうね』
球磨川禊は懐から一冊の本を取り出す。
それこそが彼の初期支給品にして、彼がすべてを知った原因。
安心院なじみが《土曜の夜に感想(ネタバレセンチメント)》で先読みし、
心の中を印刷するスキル《心色印刷機(テンプリンテーション)》で製本した、
彼女たちにとって幾週間後のジャンプ――安心院なじみの敗北回。
『安心院さんは――読んでしまったんだ。未来のジャンプを自分の目で。
黒神めだかにほだされて、自殺を諦めて。
自らの考えを病気と断定されて、現実を学ぶために一年十三組に編入される。
――そんな結末が確実に未来にあることを知ってしまった』
「……」
『そして思ったんだろう。
本当の本当に、いよいよもってこの世界が漫画でしかないなんてことを。
もう、現在の登場人物も、過去の登場人物も、
未来の登場人物も、外伝やアニメや小説のオリキャラもないまぜにして混ぜて、
ぐちゃぐちゃのバトルロワイアルでお茶を濁して――すべてを0にするしかないだなんて』
誰にも相談せずに、ひとりで決めてしまったんだ。
ほんの少し物悲しそうに下を向き、優しい顔で斃れる安心院なじみを見ながら、
球磨川禊はぽつりそう呟いて、次の瞬間、けろりとした顔で。
『――なぁんて、このジャンプはそこの購買で普通に売ってたやつで、
そんな展開はこれっぽっちも、ほんの少しも書かれてなかったんだけどさ!』
ジャンプを宙に放り投げ、螺子で物理的に貫きながら。
括弧のついた言葉で、言いきった。
はらはらと舞い散るジャンプの再生紙のはしきれと、球磨川禊のしてやったりな笑顔。
「球磨川禊。お前は、まさか、
バトルロワイアルを上手くいかせずに『なかったこと』にすることで、
なじみを止めようと――ん? なんだと?」
『えぇ? 違う違う。結局僕が場をかき乱したのはただの私怨さ。
安心院さんの思惑(推測でしかないけど!)通りにいくのが嫌だったから、
それっぽく理由をでっちあげてひたすら邪魔しただけだよ。
括弧つけてないからって嘘ついてないとは限らないぜ、ばかだなあ。
思えば、死者の服装を全員スク水にする暇がなかったのが唯一の心残りかな――』
球磨川はそのまま不知火半纏を挑発するような態度をとる。
へらへらと笑いながらべらべらとくっちゃべって、相手の心に不快感を与えていく。
不知火半纏は球磨川のそんな姿に、静かに誘導される。
心に風が吹く――怒り、憎しみ、恨みつらみ。自分の感情が指針を失う。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板