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あと3話で完結ロワスレ

140剣士ロワ第298話「決戦、開幕」  ◆9DPBcJuJ5Q:2013/01/06(日) 01:29:19
「ほう、虎暁の魂を継ぐ轟大帝を犬死させた犬畜生の変化が、よくもそんなことを口にする」
 オキクルミは赤き魔剣に魅入られ、力への執着と固執、そして望むだけの力を得られぬ焦燥と不安を増幅されてしまった。
 結果、自分よりも強い力を示していた仲間達を嫉妬心から不意討ちで殺めるという暴挙に至ってしまった。
 それでも、オキクルミを見捨てず、残された命の全てを振り絞って立ち上がり、オキクルミを救ってくれたのが――轟大帝・孫権だった。
 孫権は強かった。戦う力だけでなく、心が誰よりも強かった。どんな恐怖や絶望に挫けることがあっても、それでも決して屈さずに何度でも立ち上がって立ち向かい、最後には打ち克つ、真の勇気の持ち主だった。
 この場にいるのがオキクルミでは無く、あの時にオキクルミが殺してしまった孫権を始めとした彼らだったなら、より大きな力となって闇の使徒どもと対峙していただろう。
 だが、彼らはここにはいない。
 それでも、自分はここにいる。
 ならば、答えは決まっている。迷う必要などないのだ。
「だからこそだ。あいつが俺に伝えてくれた真の勇気……そして、気付かせてくれた、俺が求めていた力の、真の在り様。それで、貴様らを倒す」
 クトネシリカと共に背負っていた虎碇刀を手に取り、切っ先を司馬懿へと向ける。しかし未だに司馬懿と刃斬武は悠然と構え、まるで値踏みするように4人を見据えている。
「幻魔皇帝は、アサルトバスターは何処だ」
 ゼロガンダムはいよいよ待ち切れず、自ら仇敵の名を出した。
 幾ら待てども現れず、しかもどれ程精神を研ぎ澄ませても何処にも気配を感じない。宮殿中に闇の瘴気が充満していても、あの男の気配をゼロガンダムが気付かないはずが無いのだ。
 殺し合いの開幕を告げる時に自ら姿を現し高らかに宣言を出しておきながら、今更現れないのは妙だ。
「奴ならば、既に闇の生贄として捧げたよ。タクティモンは見込み以上の強さだった」
「な、なに……!?」
 司馬懿の口から告げられた、予期していなかった言葉に、ゼロは周章狼狽し、絶句してしまった。
「残念だったな。父の仇を討てなくて」
 刃斬武から投げかけられた言葉にも、ゼロガンダムはすぐに心中で否を唱えた。ゼロガンダムは幻魔大帝の死に対して、驚愕しか浮かばなかったのだ。
 ゼロガンダムの一族に伝わる雷龍剣と対を成す嵐虎剣の正統継承者にして、力への渇望から闇の勢力と契約を結び更なる力を得た幻魔大帝の力は、既に一介の剣士の領域を遥かに超えている。
 スダ・ドアカの人々を、ゼロガンダムを残して全て消し去ってしまう程の力の持ち主なのだ。
 その幻魔皇帝が、死んだ。しかも、司馬懿の口振りからすれば、恐らくはタクティモンとの一騎討ちに負けて。
 そんな化物の前に、自分は仲間を、しかも何の特別な力を持たない人間族を置き去りにして来てしまったのかと、自責の念に捕らわれる。
 だが、背後からは未だに剣戟の気配を感じる。タクティモンが手を抜いているのか、それとも、トゥバンもゼロガンダムの想像を超えるほどの剣士だったのか。


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