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518名無しになりきれ:2013/03/06(水) 15:46:11
大型のシャドウ。その金属の身体に深々と突き刺さるスサノオの大剣。
ラクシャーサの連撃による多くの裂傷。
ハンマにより拘束されマカジャマにより封じ込められたシャドウのエナジーは
今まで内外から受けたの圧力に耐え切れないとばかりに、傷口から弾けるように噴出する。

大剣をトリガーとして内側から完熟した石榴のように翻るシャドウ。
溢れ出た金属の部品は、まるで肋骨のようだった。

ふと気がつけばポーチの中の水晶髑髏が青白く発光していた。
そうだ、イデアルエナジーを回収しなければ。
取り出した水晶髑髏を目の前に掲げる。
するとシャドウの残骸から幾条もの光が、光線となって水晶髑髏に吸い込まれていった。

それはまるで、人の魂のようだった。おまけに海棠が奪っている感じ。
今までにあの機械のシャドウが集めていたものを強奪している気分。
としたらあれはこの廃工場で、何かのエネルギーを集めていたのかもしれない。

ふと海棠は、とある噂を思い出す。この廃工場は昔、処刑場だったということ。
貧苦に喘いで一揆を起こした農民たちを大量に殺戮した場所であり
謀反の際には、士族が同じ場所で大量に殺された曰くつきの場所だということを。

(長居は無用かも。かなり火もまわってきちゃったし)

「神部さん、スサノちゃん。みんな、早く逃げましょう!動けない人はいないよね?」
自分なりに大声で叫んで、海棠は廃工場から脱出した。

(とりあえずは、任務完了ってとこかな…)
徐々に心が落ち着いてくる。いい意味でも悪い意味でも。なので海棠はまた無口になった。
あんな風に最後にシャドウのエナジーを吸い取った自分を皆はどう思っているのだろうか。
やはり普通じゃないと思われるのだろうか。でもそんなことを言ってしまえば、みんな普通ではないのだが。
問題は山積み。彼らのもつあの召喚器は、ジョーカーから渡されたものなのだろうか。
海棠は近くにいた風祭にむかって恐る恐る話しかけてみる。

「あの…、さっきは助けていただいてありがとうございました。私、海棠美歩って言います。
驚きました。あなたたちもペルソナ使いなんですよね?
その召喚器って、どうなされたのですか?もしかして、ジョーカーから授かったものだったりして?」

首をかしげて覗くように少年の顔を見上げる。月明かりを浴びた彼の顔はいたって普通。
普通過ぎるほど普通だった。あの悪鬼のペルソナを内に秘めているとは思えないほどに。

見上げれば、夜空には不気味なほどに光り輝く巨大な満月。それはビルを背景にぽっかりと浮かんでいた。
街並みに生み出された巨大な影は深く、その影は黒で黒を塗りつぶしたかのような漆黒。
踏み外してしまえば、奈落にでも堕ちてしまうと錯覚するほどに、その闇は深いのであった。
【シャドウ殲滅。その後、廃工場から脱出。帰りの道すがら、風祭さんに、その召喚器はどうしたの?って聞く海棠】


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