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512名無しになりきれ:2013/03/05(火) 19:28:15
「なんてことを!なんてことをしたんですかアカネさんっ!!」
悲しみが胸を押しつぶしてくる。アカネは死んでしまうかもしれない。
そんなことは耐えられない。それなら、こんなにも悲しい気持ちになるのなら心なんていらない。
それなのに自分は冷酷な怪物にもなりきれない、まして人間の子どもとしての幸せもありはしない。
中途半端な生成り小僧。つらいことを忘れたいから、因果さえも笑い飛ばしたい。
それゆえにサーカスで繰り広げてきたのは永遠の宴。道化芝居。

鳥居は思いっきり叫びたかった。

かなしみよ、溢れるな!この胸の奥深くに閉じ込められてしまえ!と。

だが、つらい。くるしい。こんな現実はいやだった。
鳥居はまだ息のあるアカネの姿をみて震えていた。

>「鳥居はん……マリーはんを……助けたげてや……」

しかしアカネの言葉が頭に響く。鳥居はマリーに視線を移す。
そこには一人ジャンに立ち向かうマリーの姿。
彼女は怒気で揺らいで見えた。その姿に鳥居はふと思う。

(悲しみや怒り。それは忘れたり押し殺したりしてしまうものじゃないのかも。
立ち上がる気持ちや、戦う気持ちに変えるべきものなのかもしれない。そう、マリーさんのように。
そうじゃなきゃ、この心はなんのためにあるというんですか!)

鳥居の瞳に灼熱の炎が宿り初める。

(僕は幸せでした。アカネさんの優しい気持ちに触れることができて…。
それに、目の前にはマリーさんが立っています。彼女は背中で僕に語りかけてくれました。
そして教えてくれました。絶対に揺らぐことのない、正義の心というものを!!)


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