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あ
500
:
名無しになりきれ
:2013/02/12(火) 12:08:58
鳥居の「目くらまししたい」という言葉に、
あかねは「それは無理、でも足止めはよい提案」と言ってくれた。
マリーも肩をぽんぽんしてくれる。
鳥居は心の中で「やった!」と小さなガッツポーズ。
あとは尋問時間の始まりを待つだけ、と暢気。
鳥居の想像では、観察者とその一味が不死の王に関係する遺物を盗んで呪災を起こし、
その災害から人々を守ろうとしているフーをいけ好かないからやっつけにきた。そう思っていた。
でもマリーは、観察者が僧房に隠されているものを狙っていたという。
そしてそれをフーは否定しない。それはつまり、観察者たちに足りないものがあったということだ。
その証拠はお粗末な動死体。観察者たちが生み出した不死の王の失敗作と鳥居は仮定する。
>「――鳥居はん、ウチらも行こや。マリーはんほど滑らかには無理やろうけど、
吸血鬼の力なら塀を越えて追っかけられるんちゃう?」
>「あと……出来ればその、おぶってって……欲しいんよね。
ウチじゃマリーはんの真似は無理やし……。自分で言うのもなんやけど、ウチそんな重ないから……ねっ?」
「うん。いいですよ。あかねさんにはいっぱい助けてもらいましたから。
あ、そのお礼と言ってはなんですけど、日本に無事に帰れたら、
僕のサーカスを観に来て欲しいです。一緒に頼光も働いていますから」
あかねを背にした鳥居は薄闇を跳躍。とりあえずマリーの向かった方角に向かう。
その距離はおよそ十間。猫のように屋根や塀の上を走ると視線の先には観察者とマリー。
でも、その様子はおかしかった。
鳥居の想像では観察者に馬乗りになったマリーが短剣片手に「ぜんぶはけ」と鬼の顔で言っているはずだった。
しかし現実は思ってたのとちがう。
(そっか…。僕は何にもわかってなかったです。生け捕りにする作戦なんて、
本来のマリーさんの剣捌きを鈍らせるものだって、とっても危険なものだって
最初に気付くべきでした……)
遅れて到着した鳥居はそのような認識だった。マリーが体験した摩訶不思議な出来事は知らない。
おまけに鬼に出会えば鬼を斬る。神に出会えば神を斬る。マリーに対しての歪んだ評価。
鳥居は大きく息を吸い込むと屋根を跳躍。観察者から二間ほどはなれた背後に着地。
結界を破ったと思われる彼に対し、嫌悪はあったが敵意はなかった。
それ故に攻撃は仕掛けない。仕掛けたとしても鳥居の能力では避けられてしまうだろう。
だがそれ以前に、鳥居はあかねを背負ったまま体勢を崩して無様に尻餅をついてしまう。
「いてて…。あの、すみません。あかねさん」
よれよれと立ち上がり謝罪する。でも観察者をマリーと自分で挟んでいる状況は作れた。
鳥居は面を観察者に向け
「すみません。僕が貴方を生け捕りにしたいって言ったんです。
なぜならフーさんに結界を守るって約束したからです。結界の中にはまだ生きてる人が沢山いるんですよ。
それなのに結界を破壊してしまうなんて貴方は一体なんですか?きっと薄汚い泥棒さんでしょう?
たぶん盗んだ遺宝で誰かを不死にしようとして失敗したんでしょうね。だからフーさんの隠していた大切なものを探していた。
そうでしょ?」
あかねをその場に下ろして鳥居は問い詰める。
「僕たちは遺跡を守れって嘆願を受けたんです。だから遺宝は返してください。
……そう、僕はこの土地で、皆、何かの欲求があって行動しているってことを理解しました。
では貴方の望んでいることはなんですか?
僕たちは罪もない人たちの命を守るためにフーさんに力を貸していますが、
べつに彼に嘆願を受けたわけではありません。
何かの交換条件で、遺宝を返していただくことはできませんか?」
一方的に自分の想像で語る鳥居。
「もしもダメでしたら、申し訳ないですが、これからの貴方の未来がどうなるかは保障できませんね。
ただの結界を破壊した者として、泥濘の上で眠ることになるかもしれませんよ」
闇を湛え、なお爛々と光を宿す嚇灼の瞳。鳥居は漆黒のマントをなびかせながら観察者をねめつける。
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