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人間とエルフTRPG避難所

43 ◆pNvryRH4rI:2010/09/29(水) 20:38:56
…カナが倒れ、イーネらもそれぞれ反乱したエルフに取り囲まれた。ある者は曲刀を、またある者は小型の弓を構え徐々にその輪を縮めてくる。
魔法でどこかに潜んでいたのだろう、敵の首領と思われるエルフをイーネは睨み付ける。エルフ族の長達だけが身に付ける独特の飾り…なるほど、そういう罠だったか。
しかし気付いても今更である。周囲に漂う血と毒の臭気に顔を顰めながら、気付かれないよう構えたままの扇刃…その柄に仕込んだ留め具へ指を伸ばす。あの出血はまずいのだが、この状況では助けるどころではなかった。

暫し睨み合いが続くと思われたその時、カナの最後の力を振り絞った行動が状況を覆した。

「な、何をしたッ!?」

ゴーレムに絡み付いた蔦に気をとられた敵の隙をイーネが逃すはずもなく。
突如巻き起こる旋風にエルフ達が吹き飛ばされ、そして次の瞬間にはすでにイーネは倒れたカナを背後に庇い立っていた。
その手には先ほどまで構えていた短刀…しかし形状が変化し、透けるほど薄い銀の刃が、まるで扇のように展開している。
…よく目を凝らせば、その一枚毎に異なる術式が透かし彫りされているのわかるだろう。能力を極端に限定する事で短刀の性能を両立させた杖…とでも言うべき代物だ。

「……戦争するなら大いに結構ネ…エルフなら知っておろう、250年程前の紛争では我が一族、実に儲かったそうネ」

立ち上がったエルフらを制しつつ、目でマイノスを背後へと促す。零れた血から濃厚な瘴気が立ち上っているが、今なら扇刃で払うくらいは出来るだろう。
イーネはそのまま言葉を続けた。

「だが、その根性はどうにも気に入らないネ。求めるが故の戦いではなく、単に手にした玩具を振るってみたいだけとは無駄遣いも甚だしいネ。
…それに…そこな玩具はイーネが預かる大事な商品、さっさと利子付けて返すがいいネ!」

叫びながら、腕を翻し強風を巻き上げる。とにかく時間を稼がねば…。


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