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近衛スレ避難所
698
:
利休@白装束
◆No.2NiAJ1k
:2013/08/17(土) 15:08:20
>761
ちょうど良かった。
さっきテレビのワイドショー見て、思いだしたことがあったのだ。
あれは17の誕生日を明日に迎えた真夜中のこと。
私は一人、ベットの上で寝つけないでいた。
何かが手足を抑えつけるような…変な感覚に悩まされていたのだ。
…いやいや!
これで終わりじゃない!
この利休がたかが金縛り如きを奇妙な体験などと!
知ってるか?
この利休が昔王族だったことを。
…自慢ではない。
実際は王族とは名ばかりの虜囚だった。
…霊感が弱いというその理由だけで6つの時に北の塔に放り込まれた故。
あの塔。
天窓から注ぐ月の光が唯一の灯りだったあの部屋で、金縛りに遭うは日常茶飯事。
王族専用の牢獄だった故、何百という霊が居たせいだろうと勝手に思ってるがな?
とにかく。
あの夜の金縛りはいつもとは違っていたのだ。
黒い装束を纏った骸骨の群れがはっきりと見えたのだ。
長い銀の鎌を持ったその姿は本で見る死神そのものだった。
怖いとは思わなかった。
明日の成人の儀式にて、死ぬつもりでいたからだ。
力の足りぬ王族は死ぬか臣下に下るしかなかった祖国の掟。
臣下に下る屈辱に耐える自信はなかった。…今思えばまだ若かった。
死神たちが鎌を振り下ろすその瞬間、閃光を見た。
月光より強い熱い光に驚く間もなく、死神たちは霧散した。手足の感覚も戻った。
何事かと首を廻らせた時、3日前に牢から出された筈の母が立っていた。
彼女は私の額に手を当て、少し笑った。
気が遠のき、気付いた時は朝だった。
扉が開き、私は王冠を被った兄の前に引き出された。
謁見の間には棺が二つ並んでいた。
一つは前国王の父。
もう一つは……昨夜見たはずの母。
…どうだ。奇妙な体験だろう。
死神とか金縛りとか、死んだはずの母親が枕元に立ったとか、そこじゃないぞ?
霊感ない筈のこの私が、初めて霊を見た記念の夜だった、そこが重要だ。
あれからなのだ。
私にも霊が見えるようになったのは。
教育熱心で少々スパルタだったあの母上の、最期の授業だったと思っている。
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