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雑談スレ
389
:
無能大佐大総統 </b><font color=#FF0000>(SQQQQQQA)</font><b>
:2005/03/03(木) 23:09:13 ID:S03j7Oko
「この前の煮付けは、とても食べられたモンじゃなかったしなぁ」
「わはは、そうそう」
主人は気にしたふうもなく、コーヒーカップを取り出す。
「なぁに、いずれレシピも増やすさ。注文は香草焼きでいいかい?」
「じゃあそれを下さい。あとパンも」
エドワードの注文を受けて、主人はカウンター内のキッチンで皿を並べる。
「鎧の君はいいのかね? 遠慮はいかんよ」
「ええ。お腹空いてないので、いいんです」
アルフォンスは『食べる』ことが出来ない。気を遣ってくれた主人に申し訳無さそうに断りながら、図面を指す。
「あの、この図面は、えっと…ご主人…?」
主人はにっこりとして名乗ってくれる。
「レマックだよ」
「レマックさんが作ったものなんですか?」
「殆どがそうさ。もう随分前の作品だけどね。大きな図面のは、町の皆で作ったものだ」
「凄いなあ」
アルフォンスは、心からそう言う。
「ありがとう。金持ち以外は買えないものばかりだから、ただの贅沢品にしか思われないが、それを見ると皆、芸術的だと言ってくれるのさ」
スープの入った皿をテーブルに出すレマックに、エドワードは問う。
「その芸術品の図面を公にしてしまっていいの?」
卓越した技術こそ、秘密にすることは当然である。店に貼り出せば、町の者どころか、エドワード達のような通りすがりの旅行者まで見てしまうことが出来る。だが、レマックは気にしてないようだ。
「一朝一夕で培われた腕じゃない」
簡単に真似が出来るような仕事ではない、という自信がそこにはあった。
「すごく綺麗です。とても人が作ったとは思えない」
アルフォンスの簡潔な褒め言葉にレマックは照れる。
「ははは、昔のことだけどね」
「最近は、作ってないんですか?」
レマックの表情が僅かに暗くなった。
「…君たち駅から歩いてきたんだろう? トロッコとはすれ違ったかい?」
「いいえ」
レマックは、香草の入ったビンを手にしながら、窓から見える鉱山に視線を送る。そこからは、鉱山の前の広場が見える。数人が石を注意深く観察しては、放り投げていた。
「…見ての通り、最近は列車に乗せられるような鉱物も商品も少なくてね。駅へのレールは錆びる一方だ。昔は、一日中鉱山を掘る音がしてたもんさ。町中に金細工職人がいて、それを買いに来る客も多くてね。活気があったよ」
寂しそうにそう言う。
「もう金は出ないんですか?」
「掘り尽くしたようでね。新しい金脈がかなり下にあるらしいが、それが見つかるより前に町を出て行く者も多いだろう。岩と土埃で野菜もろくろく作れないしね」
「そうだったんですか…」
重苦しい沈黙が流れる。
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