[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
1001-
1101-
1201-
1301-
1401-
1501-
1601-
1701-
1801-
1901-
2001-
2101-
2201-
2301-
2401-
2501-
2601-
2701-
2801-
2901-
3001-
3101-
3201-
3301-
3401-
3501-
3601-
3701-
3801-
3901-
4001-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
雑談スレ
387
:
無能大佐大総統 </b><font color=#FF0000>(SQQQQQQA)</font><b>
:2005/03/03(木) 23:03:58 ID:S03j7Oko
レールの脇に放り出されたトロッコや、数え切れないほどの岩や土砂利の山。そのまわりに立つ鉄骨。荒れた雰囲気は否めなかった。
茶色の大地の上で、ぶらさがった滑車が、風が吹くたびカラカラと揺れていた。
「見ろよ、これ。随分使われていないみたいだ」
エドワードは、赤く錆びた塔をつついた。
「今にも崩れそうだよな。指一本で倒せたりして」
はは、と笑ったエドワードに押されるままに、塔がゆっくりと傾く。
「あ」
本気で倒すつもりはなかったのだが、すでに遅い。
キイィィィィィ………ドォォォン………。
塔は、力尽きたかのように倒れてしまった。
「………」
「…崩れそうっていうか、崩したね、兄さん」
この塔は放置しているのだろうと勝手に思い込んではいるが、まだ使っている可能性もないとは言えない。
「…錆びてたし、使ってないよな?」
しまった、という顔をしながら同意を求めるエドワードに、アルフォンスはうなずきながらも優しく答える。
「でも、町から聞こえるあの音は、まだ採掘はしている感じだよね」
耳をすませば機械の稼動する音と、山を削る音が風に乗って聞こえてきていた。となると、このことが知られたら、町の物を壊した二人はいい印象を抱かれないだろう。旅先でわざわざ問題を自ら提供するのは馬鹿らしい。
「兄さんたら、そういうトコ相変わらずだよね。気をつけてよ」
まるで小さい弟を注意するようにアルフォンスに言われて、エドワードは肩を竦めた。
「とりあえず、直しとくさ」
手にしたトランクをアルフォンスに突きつける。
「崩れそうなものに、わざわざ手を出す人なんてそうそういないよ、もう」
そう愚痴るアルフォンスの前で、エドワードの両手が勢い良く合わさった。
崩れた塔の一点に、空気が収縮したかのように見えた。その一瞬後に弾けるように大気が振動し、光が飛び散る。
「…一丁あがり。さ、行こうかアル」
霧散した光が消えると、エドワードはトランクを持ち直し、歩き出す。追いかけるアルフォンスの後ろで、そっくり元のまま、塔が建っていた。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板