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雑談スレ
386
:
無能大佐大総統 </b><font color=#FF0000>(SQQQQQQA)</font><b>
:2005/03/03(木) 23:03:22 ID:S03j7Oko
第一章 金の髪
「本当にここでいいのか?」
「多分…」
「聞いてた話と違うぞ?」
「そうだね」
立ち尽くした二人は、揃って地図を見る。
「…ここで、合ってるよなあ?」
「うん。駅のおじさんもこのレールの先にあるって言ってたしね」
まっすぐに続くレール。その線上を歩いていた二人は足元を確かめる。靴の下で、レールは確かにまっすぐ先へと続いていた。
「…緑の絨毯を進め。辿り着くのは希望の地。そびえる山は金色に輝く…か」
そう呟くとエドワードは眼前の土地を見渡した。
「金鉱の町ゼノタイム。とてもそうは見えないな」
「そうだね…」
隣に立つ、アルフォンスも同意する。
長い金髪を後ろで編み、小柄な身体に黒い服、白い手袋、赤いコートを纏っている少年は、名をエドワード・エルリックという。髪と同じ色をした金色の瞳。意思の強さを表わすようにすっきりとした眦が印象的だ。一見するとただの生意気そうな少年だが、人にはそうそう言えない重い過去を背負っている。その経歴の果てにあるのが、機械鎧の右手と左足だった。
その横に立つのは、アルフォンス・エルリック。エドワードの弟である。
アルフォンスは全身青銅色の鎧に包まれたいでたちである。その中にエドワードより一つ下の少年が入っているとは想像しにくい。実際、鎧の中は空洞である。彼を彼たるものに至らしめているのは、鎧の内側に描かれた血文字であった。アルフォンスの魂もそれによって繋がれている。
この大きな鎧と対比するとエドワードはずっと小さく、まわりから見るとこの鎧を着た少年の兄だとは思えない。もっとも、エドワード自身の対比として、同じ年頃の少年を連れてきたとしても、小さく見られるのに違いはないのだが。
「…結構歩いたけど、誰にも会わなかったな」
エドワードは後ろを振り向く。
レールの向こうには、駅がぼんやりと見えた。前を見れば、同じようにレールが伸び、町へと吸い込まれている。二人が町を目指して歩く間、すれ違う人はおろかトロッコがレールを走ってくることもなかった。
金の町ゼノタイム。エドワードたちの知っている話では、信じられない程に金が取れる山があるということ。金細工の技術が素晴らしく、ゼノタイムの金細工といえば、高額な値段で売り買いされる、ということだ。以前は緑豊かで農業がさかんだった町は、金が見つかった当初、揺れる草の間に金が光っている、とまで言われた楽園のような土地らしい。金が発見されてから大分たっているとはいえ、その豊かな大地の片鱗は拝めるだろうと二人は思っていた。
だが、実際見えるのは、茶色の世界。
二人が道しるべにしたレールも錆びつき、朽ちかけた枕木が横たわっている。風が吹くたび舞い上がる土が、遠くに見える家々を霞ませていた。そして、その向こう側には奇怪なものがそびえていた。もとは大きな山だったのだろう。だが、今は切り崩され、削られ、薪を割ったような巨大な縦長の岩が、何本か立っているようにしか見えなかった。
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