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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
952
:
境界原理のフラクタル
◆.4U5FmAuIw
:2017/07/22(土) 13:48:33
「……失敗した」
俺の呟きに、有田は組んでいた腕を解いて「どこまで覚えてんだ?」と聞いてきた。
「正直、今までの記憶操作の所為で大学に入るまでの記憶はほとんどねえ」
ふらついた頭をおさえて答える。
「たとえば、飯の食い方、ネタの作り方、仕事で会うスタッフの顔、生きるのに必要な
記憶は後回しにされる。一回見た映画、昨日の天気、使わねえ英単語。
こういう"あってもなくてもいい記憶"から消えて行くって寸法だ。
ただ、俺以外の人間には"いらねえ記憶"なんてねえんだよ」
階段から立ち上がって、服のホコリを払う。
「松本の自我を制御するのに使われていたのが、原田さんを傷つけた記憶だったんだ……
格闘で九割出来上がってるようなあいつに、知り合いを殺しかけた事実は深い傷として残った」
話しながら、あの日の混乱して暴れる松本を思い出す。
嵯峨根さんと俺の二人がかりでなんとか押さえていた。
「だから、俺たちとの特訓にも付き合ったし、助けを呼べば来た。あいつの行動原理に
その罪悪感が深く、関わってたんだ」
「それで、松本の記憶は今どうなっちまったんだ?」
「俺が侵入したせいでコントロールを失って、多分……深層心理の深い所に沈んじまったんだ。
原田さんとの記憶以外に手はつけてねえ。もう一回あいつの脳内に跳べば、元に戻してやる
ことは可能なはずだ」
「できんのか?」
単純な問い。わざとではないが、それを説明してもさらに面倒くさいことになるのは分かる。
「……どうしたもんか」
考える俺の横に、黒い影が伸びる。それを辿っていくと、見慣れた顔がいた。
「いっそ、利用してしまったらどうですか?」
土田は俺のそばに腰を下ろして「松本さんの記憶を、身代金にするんですよ」と恐ろしい案を出す。
「いや、身代金……って、お前」
「記憶を返してほしければ、一日動くな……とか。白に協力的な芸人の名前を教えろ、とか。
法に触れない範囲でも五つは思いつきますね」
「俺はそろそろお前が怖えよ」
「ここらへんで点数を稼いでおかないと、そろそろまずいんじゃないですか」
たしかに。
素直に返したところで、俺がドジったというだけの記録しか残らない。
だったら、ここで賭けに出てみるか。
「分かった、やってみる」
「何を?」
ぽかんとしている有田に、俺はぶん殴りたくなる衝動を覚えた。お前、今の話聞いてたか?
「X-GUNをおびき出すんだよ。白の切り込み隊長、ズッタズタにしてやるぜ」
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