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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

943鳥頭 ◆.4U5FmAuIw:2017/07/20(木) 20:56:19
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「だからさ、特訓付き合ってくれよ。焼肉もおごるし、それに」

有田が一生懸命に頼んでいるのに、じょうろを持った松本は「知らんわ、勝手にやれ」と背中を向けた。

「お前も特訓すりゃいいだろ、松本」
俺の言葉にぴた、と松本の動きが止まる。
「そのカルセドニー、使いこなせりゃお前にとってもいいだろ。違うか?」
「……せやけど、ワンちゃんが」
「いつもそうだよな、お前。ワンちゃんが、ワンちゃんがって、加賀谷を言い訳に使って。
 お前の本当の気持ちなんか、聞けた試しがねえよ」

「キックさんをいじめないでください!!」
下を向いて黙ってしまった松本の前に、加賀谷が飛び出した。
「僕ッ……僕も、特訓します!!」
「ワンちゃん!?」
「思いっ切り強くなって、上田さんなんか小指で倒せるぐらいになってやります!
 だから、キックさんは……」
顔を上げた加賀谷は、しっかりと相方を見つめて言った。

「僕を使ってください!もうそれこそボロ雑巾みたいに!」
「いやいや、それはあかんやろ!」
「いーえ!キックさんはすぐに頭に血が上るから、ダメです!格闘禁止!
 僕をしっかり操れるようになってもらわないと!」

一歩も譲らない加賀谷に、とうとう松本は「分かった、やったるわ!」と半ばヤケクソで折れた。
海砂利水魚と松本ハウスの奇妙な同盟は、こんな風な調子で始まった。


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