[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。
【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
937
:
鳥頭
◆.4U5FmAuIw
:2017/05/21(日) 19:52:56
一拍。もしくは刹那。
天井から吊り下げられていたクレーンのワイヤーが軋む。
落下する重機。固まった久馬を、意志がないはずの後藤が突き飛ばす。
ズゥゥン…
その衝撃に、天井が崩落していく。後藤はゆっくりと体を起こして、倒れた久馬に手を伸ばす。
「後藤……すまんな、お前は、アラゴナイト、を……手放した、なかったよな?」
久馬は、ガレキのすき間に落ちていたアラゴナイトを、手探りで拾って後藤の手に握らせる。
「お前の石や……今度こそ、離すな……」
「……分かった」
返らないと思っていた声に、久馬は目を見開いた。
アラゴナイトを握りしめて、後藤はふらりと立ち上がる。
「何や、これ……どこや、ここ」
「……後藤?」
「なんで久馬が?……なんで、足が、なんで、お前らが、あれから何が」
こめかみをおさえてぶつぶつと呟く後藤の体から、黄色い光が放たれる。
「――まさか!」
飛び出した修士の首に、後藤の足がからまった。そのまま体をひねって、修士の体は床に沈む。
「ぐっ…!」
修士の背中で、バキバキと床が割れる音。伸ばした手は蹴り飛ばされて、口を開きかけた小堀の顔が
つかまれる。後藤の目が赤く光って、体は再び黄色い光をまとう。
「……っ、が、あああっ!!」
手の下、小堀の体に雷撃が落ちる。気絶した小堀の向こう側、菅が「ありえへん」と首を振った。
後藤は菅の喉元をつかんで、小さな体を壁に叩きつけた。
喉の骨がミシッ…と嫌な音をたてて軋むのに、菅は眉根をひそめる。
「やめろ、後藤!!菅が死んでまう!!」
叫んだ久馬に、後藤はゆっくりと振り返って。
「……殺したら、あかんのか?」
久馬の脳内。血が飛び散った顔が浮かんで、重なる。
しかし、後藤はパッと手をはなした。背中から崩れ落ちた菅を視界から外して、
一直線に元相方の所へ帰ってくる。
「……後藤、お前」
後藤は、状況が呑みこめていない久馬の手をとって、自分の口角に当てる。
そのまま、きゅっと上げて笑顔を作った。久馬が手を下ろしても、その笑顔は変わらなかった。
◆◆◆◆◆◆
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板