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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
936
:
鳥頭
◆.4U5FmAuIw
:2017/05/21(日) 19:52:25
「俺らはな、黒から"ドールを回収しろ"って命令されとる」
「そうですか。……その人形はどうぞご自由にしてください。
俺らには必要ないんで」
そこで、ずっと黙って聞いていた小堀が「……ふざけんな」と低い声でつぶやく。
「これが、人形やと……?お前、後藤さんをなんやと思って」
「小堀さんは、これが人間に見えるんですか?」」
「人間や……体温もある、呼吸もしとる、この人は生きとる!!」
その答えに、宇治原は一瞬だけバカにしたような表情になった。
――ガッ。
菅の蹴りが、後藤の顔に命中する。倒れてむき出しになった腹に、拳が深く沈んだ。
「っ、……!」
「へえ、ドールってほんまに何も反応せえへんのですね」
菅は、息をのんだ小堀に見せつけるように、髪をつかんでグイッと持ち上げる。
唇を切って血を流しているのに、その表情は全く変わらない。うめき声一つあげない。
「お、おま……先輩を、殴っ」
「せーやーかーらー、修士さんまだ分かってません?これはただのドール。後藤さんはこっち。
まあ、もう出てこれませんけど」
指さされたアラゴナイトの中に、血のような赤い光が混ざっているのを見つけて、
修士はぎょっとたじろぐ。
「ドールってのは便利なもんらしいですよ。飯も食わせなあかんし、下の世話もせなあかんけど
自我がないから、どんな命令でも聞くんですわ」
「そんな……宇治原、なんでお前は、そんなこと、言えるんや」
「黒からすれば、俺ら能力者の方がドールより使い心地悪いかもしらんなあ」
ひとりごとのようにつぶやいた宇治原は、「聞き分けてくださいよ、黒ですよね?」と二丁拳銃を見下ろす。
ガララッ…
そこで、廃工場の扉が開いた。
ゆっくりと歩いてきた久馬は、帽子を脱ぎ捨てて中にあったものを握りしめる。
後藤の顔に傷があるのを見つけて、その表情が険しくなった。
「……後藤を、返せ」
「その前に、黒の石をこっちに」
菅の要求に、久馬は手の中にあったものを投げる。
床に散らばったのは、割れて破片になった黒の石だった。
「……!」
「それが、全ての答えや。黒の石は希望なんか生まん。お前らが望むものなんか、その先にはない。
……何でこんな事になってもたんかな」
久馬は近づいて、後藤を抱えこむ。
「俺はただ、お前と一緒にお笑いやれとるだけで、よかったんや。
……こんな石なんか、なくなってまえって、思っとった。
もう遅いかもしらんけど、帰ろうや……後藤」
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