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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
930
:
鳥頭
◆.4U5FmAuIw
:2017/05/20(土) 18:31:40
◆◆◆◆◆
鈴木と浅越は、一瞬だけ渋い顔をしたが、久馬が「ええんや」と言ったのを合図に
石をしまって宇治原を楽屋へ入れた。
「……久馬さん」
ソファに力なく座った久馬は、宇治原の呼びかけにも答えない。
薄暗い、夕日が差しこむ室内で、久馬は黙って帽子を握りしめていた。
正確には、常に帽子に貼りつけてあった黒い石を。
「俺は、どこで間違ったんやろうか……」
ぽつり、と久馬がつぶやく。
「きっとあの日からや……1999年の、あの日から……」
【1999年】
そこが元はきれいな屋上庭園だったとは、誰も信じないだろう。
破壊されて水をちょろちょろと垂れ流す噴水だったもの。真っ二つに割れたベンチ。粉々になった敷石。
めちゃくちゃに荒らされた花壇の中、一人の男が「ひいっ」と情けない声を上げて、ガタガタと震えている。
「や、やめて……やめて、くださいっ…お、俺……まだ、死にたくな」
後藤はぺた、と男の額に触れた。その指がぎりっと皮膚に食いこんで、
そのまま男を持ち上げて、片手だけで地面に叩きつける。
「がっ……ふ、ぐはっ…!」
男の体に、また何発目かの雷が落ちた。
「やめろ、後藤!!」
叫んだ久馬は、一瞬迷う。
体の弱い後藤のみぞおちに、拳を叩きこんで気絶させるべきか、否か。
脳内会議は全会一致の可決を見た。
「あの、久馬さん……あいつ、芸人の間じゃ女癖悪いんで有名ですよ。タレが何人もおるとか。
後藤さんの恋人に、イタズラしたって噂、あって」
後藤が攻撃を加えている相手を見た鈴木が、ぼそっとつぶやく。
「助けんでも、ええんとちゃいますか。あんな……」
「俺は後藤のために、あいつを助ける言うとんのや!」
虫の息の男に、後藤は血まみれの拳を振り上げる。
その手首を、久馬がつかんで「後藤!!!」と叫んだ。
「やめろ!!もうっ……お前、そいつを殺す気か!!?」
後藤は男の胸ぐらをつかんだまま、ゆっくりと振り返った。
血が飛び散った顔は、人間らしい感情というものが全てそぎ落とされていて。
「……殺したら、あかんのか?」
その言葉に、久馬と鈴木は絶句した。
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