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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

927鳥頭 ◆.4U5FmAuIw:2017/05/18(木) 21:54:25

コンコン…

小さなノックに、後藤はハッと気がついて立ち上がる。
開いた先にいたのは。

「後藤さん、血液と胃液、逆流するんやったらどっちがええですか?」

理解できない。なぜこの二人がいる。いや、彼らの所属するユニットは黒だ。それは知っている。
彼らが、自分を名指しで呼んでいる。その意味は。

「抵抗するんやったら容赦はしませんから、そのつもりで」
小堀は可愛い後輩の笑顔を貼りつけて、後藤の手首をつかむ。

「や、やめろ……!!」

瞬間。

後藤の右目にちりっと青い電流が走った。手首をつかむ小堀の手に、雷が落ちる。


◆◆◆◆◆

「――っ、!!」

コードに繋がれた藤井の体が、びくっと震えた。
「藤井くん!?」
あわてて体をおさえる岩見に、画面から目を離して驚いている上田に、藤井は荒い呼吸を
整える暇もなく告げる。

「……大阪で、新しい座標が出た」
「え?」
まだ理解していない岩見に、藤井はとうとう怒鳴る。

「新しい能力者が生まれたんや!!!」


◆◆◆◆◆

「は、ははっ……なんや、これ……」

何度も雷を受けて、倒れた小堀と川谷。床に空いた大穴。もはや笑うしかない状況だ。
座りこんだ宇治原は、後藤が逃げて行った扉の向こうに人が集まるのを見てまた笑いだした。

「ああ、そういうことやったんか……久馬さん、あんたも罪な人やなあ……」

はははは、と乾いた笑い声が、滅茶苦茶になった室内に反響した。


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