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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】

925鳥頭 ◆.4U5FmAuIw:2017/05/18(木) 21:53:12
顔文字スレのネタをちょっとお借りして入れてみました

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照明を落とした部屋。パソコンの青い光だけが、そこにいる男たちの顔を照らし出す。
画面の前に座った男は、首やこめかみにつけたパッドにコードを接続すると、すうっと息を吸いこんだ。

「……」

藤井の指輪にはまったゴーシェナイトが、青白い光を放つ。
彼の『予報』は、白ユニットの作戦には欠かせない。今回その力を借りるのはキングコングの二人。
「ロザンの動きが怪しいから、大阪の予報がほしい」と頼まれた。

「二丁拳銃…心斎橋…明日、午後15時……」
「新しい要素は?」

パソコンのキーボードを叩きながら、渡部が聞く。
藤井は焦点の合わない瞳でぼんやりと天井を見つめたまま、首を横に振った。

画面に映し出されているのは、大阪の地図だ。そこに、藤井が観測した明日の情報が打ちこまれる。

「予報する時の藤井くんって、ほんまに何か受信しとるみたいやな」

対価のために待っている岩見は、時計を見て「そろそろやね」とつぶやく。

――バチンッ!

ゴーシェナイトから光が消える。同時に、藤井の体が椅子の上でのけぞった。

「かはっ…!ぐ、うっ……あ…」

目をおさえた藤井が、よろよろと立ち上がる。

「今回は目なん?」
「あ、岩見…そこに、おるんか……頼む、手ェ貸してくれっ……!」
「うん。僕、そのために来とるからね」

自分よりずっと大柄な藤井の腕をとって、岩見が一生懸命支える。
プライベートは全く交わらない二人だが、この『予報』の間は、いつも岩見がそばにいた。

見送りに出た上田に、藤井は見えない目で振り返る。

「……明日また予報します。新しい能力者が生まれるらしいんで」
「平気か?無理すんな」
「明日はたぶん、見えるようになってますから」

力なく笑った藤井に、上田は何か言いかけた口をつぐむ。
対価は人それぞれで、「記憶から忘れられる」などの能力に比べて重すぎる者もいれば、
「面白いギャグを言ってしまう」など誰が得をするのか分からないものもある。

藤井の対価はその中でもかなり重い。何せ、ちょっと石の光を飛ばしただけで
五感のうちの一つがランダムで失われる。支払いのタイミングによっては仕事にも響く。
こうして力を借りるのも、上田は申し訳ないような気分だった。

「……これじゃスマイリーを使い潰した黒と変わんねーじゃねえか、クソが」

苦々しげに呟いた上田は、また中へ戻った。

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