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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
908
:
名無しさん
:2016/06/03(金) 16:20:00
瞬間、柳原のホワイトオパールが青い光を放つ。
「なっ、なんやこれ!?」
いつもとは違う色の光に、柳原が戸惑う間もなく、光は線となって、空中を縦横無尽に駆け巡る。
アメザリの二人を守るように生まれた光の壁は、はなわの衝撃波をバチンッと弾き返した。
「お前……まさか、隠し能力が出たんか?」
「ちゃう、これ俺の能力ちゃうわ!俺の石に、誰かの波動が混ざっとる…」
ざりっ、と砂を踏みしめる音に、二人はバッと振り返る。
そこには、かっこつけた仕草でサングラスを外す松口と、「堂土ー!まだ生きとるかー!」と手を振る大上がいた。
「ハリガネさん!?なんでここにっ…あぶなっ!」
井戸田の頭すれすれにまで迫っていた衝撃波に、柳原は慌てて小さな壁を出して止める。
「俺の石は、ハイリスクな割に弱いけど。一回の発動で一人だけ、能力をコンバート出来るんや。
俺が"敵"と認識した相手に対して、相性のええ能力にな」
松口はポケットからエンジェルシリカを取り出して、ぽーんと放っては、キャッチする。
説明の間も、はなわは上下左右から音を走らせ、三人に攻撃を仕掛けた。
そのたびに柳原は「うわっ!」だの「ギャー!」だの叫びながら、壁を作って反射していく。
「その"盾"はお前自身のイメージや。皆を守りたいいう心が、そいつを出しとんねん。
ああ、安心せえ。この闘いが終わったら、能力は元に戻るから」
説明し終えると、松口はすうっと目を細めてはなわを見すえる。
「……さて、5対2や。どないする?」
松口の問いに、吉田は「関係、ありません」と手のひらを向ける。傷口から溢れる血液が徐々に
集まって、弾丸を形作った。
「大上!」
「分かっとるわッ……」
大上は指輪に加工した石を取り出して、親指にはめる。クラック水晶が淡い光を放つと、
雲の隙間からジャラッと音を響かせて、鉄の鎖が降りて来た。鎖の先についている赤い輪は、
戸惑う吉田の首にガチッとはまる。
「ぐっ……」
隙間に指を押しこんで外そうとするが、しっかりとはまっていて、取れそうにない。
しっかりと狙いを定めて、撃とうとする吉田に、大上は「あかんで」と制止する。
だが、既に遅く。血の弾丸はすでに放たれていた。
「せやから、あかん言うたのに」
大上がため息をつくと同時に、弾丸は軌道をくるりと反転させ、吉田へ向かう。
「!?…ッ、がはっ…」
みぞおちにめり込んだ血の弾丸に、吉田は体をくの字に曲げる。呼吸を整える間もなく、
今度は衝撃波が吉田の足をさらって、彼を地面に叩き付けた。
「はなわ、さ…なんでっ…」
「お、俺は何も…」
はなわは戸惑っている。無理もない。井戸田を狙ったはずの衝撃波は、なぜか
味方であるはずの吉田を射抜いた。どう考えてもこれは、大上の能力だ。
「動かん方がええよ。吉田を死なせたないんやったら」
大上の手首にも、吉田と同じく赤い輪がはまっている。二つの輪は鎖で繋がれ、大上が
手を動かすたびにじゃらり、と耳障りな音をたてた。そこで吉田はようやく、この能力の意味を知る。
「まさか」
目をこらして、赤い首輪を見る。そこには、『囮』の一文字が浮かび上がっていた。
「ユウキ、俺から離れたあかんで。範囲指定はでけへんけど、俺のそばやったら多少は安全やからな」
「はいはい」
松口はダレた返事をしながらも、ぴたっとそばにくっついた。
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